医人たちの晩餐会
- 2023/03/19
- 15:53

さきたまオケラの会大阪支部長を退任されて、新たに山陽支部発足の使命を担い、岡山に移住される漢方内科医の向川朝子先生と東三国の和食 雄さんへ。向川先生、4年間の支部長活動ご苦労様でしたm(_ _)m新支部長の着任まで、初代支部長である不肖わたくしめが支部長代行として暫く運営に当たらせて頂きます。...
咲き始め
- 2023/03/16
- 18:06

今年は春の訪れが早くて、桜の開花も例年より早いようである。寒くて三月は大抵外出を控えるのだが、今年は久しぶりに山茱萸の花見に出かけた。サンシュユ(2023年3月15日/大阪府八尾市)遠目に見ると、蝋梅のようにも見えなくはないが、サンシュユは木の生え方が独特だし、近づいて花を観察すれば、梅とは全く異なる独特な形をしていて面白い。セリバオウレン(2023年3月15日/大阪府奥河内)この数年、黄連に関しては人を案内する...
胎占指南
- 2023/03/12
- 10:33
一昨日の第23回蒼流庵易学講座は、胎児の性別判断を中心に所謂「胎占」関連の技法を色々お話する回とした。昭和以前には今よりも遥かに胎児占の需要が高かったようで、占例集等を覗き見ても、端々に此の分野の占断例が見えている。背景には是が非でも第一子に跡取りたる男児を望むという考えがあったようだ。今では、家族観念の変化により、第一子は男児をというような考えは既に時代錯誤の、いな顰蹙さえ買いかねないものとなって...
医人たちの晩餐会
- 2023/03/10
- 19:48

関西医史学界の重鎮で整形外科医の今井秀先生と久しぶりの会食。場所は南森町の「和食 いいくら」さん。お料理は相変わらず絶品!今回は以前より桃山陶を意識した器がふんだんに使用されている印象。冷酒も通好みの粋なものが揃っていて美味しい。お土産に庵主の好物 松竹堂のフルーツ餅を頂きました。しかもホワイトデー仕様!御馳走様でしたm(_ _)m...
見えざる手
- 2023/03/09
- 18:19

『実業』1924年11月号に「易から観た支那動乱」と題した小玉呑象の時事占が掲載されているのだが、得卦も判断も詳細に記述されていて、ニセ高島ではないモノホン高島の高弟であった小玉呑象の後出しでない占を検討する格好の材料を提供してくれている。「九月八日朝、支那の各方面に動乱の兆候があって・・・」で始まる此の小文は、第二次奉直戦争勃発直後に著わされたもののようだ。生憎、支那の近代史に詳しくない為、ウィキペデ...
宮人を以て寵せられる
- 2023/03/07
- 18:01
昨夏、第八回のオンライン講座にて剝卦を解説した際、此の分野では御多分に漏れずと言うべきか、呑象の鍼治占を引いて御話することとなった。増補版『高島易断』を出典とする言わずと知れた占例で、読者諸賢には今さらの説明など不要であろうが、簡単にあらましだけ申せば、明治14年春に横浜の森錠太郎という外商の書記が腹痛を訴えて内外の医師の診察を受け薬を服用するも治らず、いよいよ危険な状態となった為、呑象に一筮を乞う...
主爻ノ意ニシテ
- 2023/03/05
- 10:54
昨年は講座の参考として『高島易断』を再読する機会を持ったが、必要に迫られないと中々通読し難い分厚さの書物を嫌々とはいえ読破するのは矢張り最後は自身の為にはなるという当たり前の事実を痛感させられる。再読によって感心させられたことは多々あるけれど、具体的に言えば、増補版『高島易断』の地雷復上六に附された占例等も其の一つ。もっとも感心したのは占例そのものというより、卦爻辞の捉え方と言うべきで、この占例は...
横浜ガス灯関連史跡を歩く②
- 2023/03/03
- 18:11

馬車道十番館(横浜市中区常盤町5-67)レトロ喫茶&レストランとして人気を集める馬車道十番館は、かつての高島嘉右衛門旧居跡に建てられているという。嘉右衛門の邸宅と言えば、高島台の大綱山荘を思い浮かべるが、大綱山荘は隠居所であって、実業家として数々の事業に携わった時代の根城がどうも今の馬車道十番館辺りだったということらしい(以前掲載した写真が時期的に考えてそうかもしれない)。入口横の電話ボックスはタダな...
横浜ガス灯関連史跡を歩く①
- 2023/03/01
- 18:44

2021年秋、コロナ流行の間隙を縫うように、何年振りかで横浜の嘉右衛門関連史跡を散策した。ただし、高島台の方ではなく、趣向を変えて実業家としての嘉右衛門の足跡を辿るべく、ガス灯関連の史跡に絞っての調査である(調査とは言っても、既に多くの方がweb上に情報をあげておられるから、実際にはそれをなぞっただけの観光でしかないのだが)。日本ガス事業発祥の地碑(横浜市中区花咲町3-86)日本ガス事業発祥の地碑は嘉右衛門...
『高島嘉右衛門 横浜政商の実業史』松田裕之著
- 2023/02/26
- 10:25

『高島嘉右衛門 横浜政商の実業史』松田裕之著(日本経済評論社/2012年刊)従来の嘉右衛門伝が全てと言って良いくらい呑象自身の証言を全て鵜呑みにして編まれているのに対し、今日ご紹介する松田裕之『高島嘉右衛門 横浜政商の実業史』は、現存する事業関連の公的文書や呑象を取り巻く人物群に関する史料によって呑象の懐旧譚を検証した面白い評伝である。紀藤元之介『乾坤一代男』や高木彬光『大予言者の秘密』が、呑象を数々の...
呑象と象山
- 2023/02/23
- 10:02

今更申し上げるまでもないけれど、まっとうな知識人の間では占いなど女子供の玩具といった程度にしか認識されておらず、『日本史をつくった101人』を読んでもそれがよく分かるというものだ。本書は、日本史をつくった重要人物101人を語る座談会の内容を書籍化したもので、顔ぶれは、伊東光晴(京大名誉教授 / 1927~)・五味文彦(東大名誉教授 / 1946~)・丸谷才一(芥川賞作家 / 1925~2012)・森毅(京大名誉教授 / 1928~2010...
学問に就いて
- 2023/02/21
- 18:37
学問は人を善くもし、悪くもする。また、無学な馬鹿は害も少ないが、学問を身に着けた姦佞邪智の徒が世を害することは甚だしい。学問と言っても東洋の伝統的なそれは本来自身の修養の為のものということになっているから、幾らのめり込んだとて害などあっては困るのだが、所詮それは建前の話である。ただ、北宋の滅亡を招来したとして昔から頗る評判の悪い蔡京など、際立った学問があって国に害を成すこと甚だしい人物であったが、...
易の失は賊
- 2023/02/19
- 10:38
『礼記』の経解第二十六に、「詩の失は愚、書の失は誣、樂の失は奢、易の失は賊、禮の失は煩、春秋の失は亂なり」とあって、新釈漢文大系本の通釈は「詩経は人を愚(単なるお人よし)にし、書経は人を誣(ほら吹き)にし、楽経は人を奢(嬌慢)にし、易経は人を賊(反社会的)にし、礼経は人を煩(礼儀に口うるさいこと)にし、そして春秋経は人を乱(口才や文才にまかせて放縦)に流れしめるのである」と口語訳している。新釈漢文...
治未病之思想
- 2023/02/16
- 18:27
先週行った第21回蒼流庵易学講座では、番外編として「治未病之思想~東洋古典に医術の理想像を探る~」と題し、特別講座の回とした。前回の講座にて六十四卦はラストの水火既済と火水未済の二卦をのみ残して居た為、後半に一時間の空きが出来るので、その穴埋めとして年明けから準備を始めていたものの、分量が当初の想定を上回って重卦ならぬ超過してしまい、思い切って独立した回とすることにした(残りの一時間は序卦伝を読み直...
貞疾・恒ありて死せず
- 2023/02/13
- 18:01

「貞」字の原義が卜問であることは今では明らかであると言って良いが、卦爻辞は『易』の著者が書き上げたものではなく、古い卜辞や御神籤の類を素材として配列したもの(内藤湖南や其の系譜に連なる学者の立場)とすれば、素材の原著者が想定していた意味と、『周易』として纏めあげた、いわば配列者の理解とは同一でなかった可能性もあるという風なことを考えていた時期がかつてあったが、『易学研究』昭和41年6月号巻頭の「続々...