咲き始め
- 2023/03/16
- 18:06

今年は春の訪れが早くて、桜の開花も例年より早いようである。寒くて三月は大抵外出を控えるのだが、今年は久しぶりに山茱萸の花見に出かけた。サンシュユ(2023年3月15日/大阪府八尾市)遠目に見ると、蝋梅のようにも見えなくはないが、サンシュユは木の生え方が独特だし、近づいて花を観察すれば、梅とは全く異なる独特な形をしていて面白い。セリバオウレン(2023年3月15日/大阪府奥河内)この数年、黄連に関しては人を案内する...
今年の亀活
- 2022/12/28
- 15:37

昨年は意識して亀活をセーブした為、シーズン全体を通して僅かに五匹程度の釣果を上げたのみであったが、今年は醤油煮込という新メニューがレパートリーに加わったこともあって、出だしこそ遅くなったものの、後半は積極的な攻めに転じた。久しぶりのガメラ級サイズ!凶悪な表情をしていますがメス♀です。このコは友人の中華料理店に進呈し、常連さんに振舞われました。このギャングの親玉のようなイカツイすっぽんさんも中華料理...
橋本よし子先生作 四草湯呑
- 2022/12/25
- 10:03

比叡山々麓で染付磁器を制作されている橋本よし子先生は、“世界の天目作家100人”にも選ばれた橋本大輔先生の令夫人で、独立して窯を開かれる以前から交流させて頂いているが、特異な作風が災いして長らく技量に対する正当な評価が伴って来なかった嫌いがあるものの、今年に至り漸くと言うべきか、人間国宝の登竜門たる日本伝統工芸展にて初の入選を果たされた。私は以前から先生の手に成る神農をモチーフにした湯呑を愛用していて...
白芷を求めて~生薬探偵の冒険~
- 2022/12/22
- 18:12

振り返れば、ミシマサイコやミクリ、ナツトウダイなど自生種に辿り着く道程の長く険しかった思い出と共に想起される薬用植物は幾つもあるけれど、現在の局方が白芷の基原として記載するセリ科ヨロイグサなども其の範疇で、今年になってようやく出会うことが出来た。同名異品の多い生薬で、河北省の一部で白芷に当てているというハナウドは9年前に北河内で割合楽に見付けることが出来たが、ヨロイグサのほうは山陰山陽の自生地を中...
白頭翁を求めて~生薬探偵の冒険~
- 2022/12/19
- 18:07

人混みを避けて行動するのを信条としている為、お盆やGWは不要不急の外出を避けるのが基本だが、それもあってGW前後に花期を迎える養父市のオキナグサを探しに行くのが随分遅くなってしまった。オキナグサは激レア種で、大阪では植栽しか見たことが無い。昔、近畿植物同好会で活動を始めた頃、平野名誉会長に尋ねたことがあったが、40年ほど前に父鬼で観たのを最後に府下では目にしていないとのこと。レッドデータブックには一応記...
王不留行を求めて~生薬探偵の冒険~
- 2022/12/16
- 18:51

難波和漢薬が、明代以前の王不留行であるとするナデシコ科のヒメケフシグロも、コロナ禍に阻まれてずっと調査を延期していた薬用植物である。基原に混乱の多い生薬の一つで、ただのフシグロやトモエソウ、オオイタビなど、国内に自生が見られるものは可能な限り探求して来たのだが、肝心の正品だけが最後に残ってしまった格好。それだけに何としても今年こそはと考えていた。幸い、前回のゴショモミジイチゴと花期がほぼ同じで、同...
覆盆を求めて~生薬探偵の冒険~
- 2022/12/13
- 18:11

最近はあまり生薬探偵業はやっていないのだが、それでも毎年何かしらの開拓はするようにしており、この春は念願叶って四国までゴショイチゴを観に行ってきた。行こうと思っていた矢先に疫病騒動が始まった御蔭で、何年も実現を見ずにいたのである。ただし、ゴショイチゴそのものではなくモミジイチゴとの自然雑種(初めて報告されたのは1992年)であるから、堂々と覆盆として取り扱う訳にもいかないのだが、ゴショイチゴは日本のな...
南五味子酒
- 2022/12/10
- 10:24

昨年漬けた南五味子酒が飲み頃になって来た。サネカズラは別段希少種という訳ではないので、薬酒にする人が他にも居て可笑しくはない筈だが、不思議とそういう話を殆ど耳にしない。ネット上には写真付きで薬酒造りをしている記事が二三あがってはいるものの、作るところのみで完成品を賞味して味を論評したものが見当たらない為、これは不味くて飲めたものではないのではという不安が過ぎった。五味子は非常に酸味が強い生薬だから...
銭鼈の其の後
- 2022/06/07
- 18:36
昨年5月に5匹貰い受けたベビースッポンは、方々頼んで見受けてしてもらうも、其の後2匹が天に召されたようだが、残る3匹は現在もスクスク育っているようだ。殊に小料理屋夫妻に進呈した一匹は、冬眠の際のダメージを恐れて加温によりそのまま成長させたことに夫妻の異常な溺愛が加わり、僅か一年で食べられるようなサイズに成長したらしい。一昨年は小料理屋で小生が解体指導などして、常連客にスッポンを突き出しとして振る舞っ...
四万十へ
- 2022/06/04
- 14:22

一昨日、調査行で四国入りした序でに高知まで足を延ばして四万十川近辺を散策してみた。初めて眼下に見下ろす四万十川はあたかも広末涼子ちゃんのような透明感をたたえている。今回の四万十行の一番の目的は道の駅「よって!西土佐」道の駅には四万十漁協経営の鮎市場が併設されており、四万十で獲れた天然の鮎や蟹などを安価で販売している。庵主は正直川魚には大して興味が無いので、目当てはスッポンのみだ。うなぎの延縄漁に外...
紅棗氷糖甲魚
- 2022/06/01
- 19:02

この数年、GW直後に其の年の亀初めをしていたのだが、流石に毎年亀ばかり食っていると段々飽きが来るもので、今年は六月に入ってもまだ一度も繰り出していない。もっとも、それにはもう一つ別の理由もあって、昨年通販で四万十の漁協より取り寄せた天然スッポンが安価で美味、そして泥抜き不要と来ている為に、自分で釣っての二週間続く水替えが馬鹿らしく感じるようになったということもある。そんな訳で今年の亀初めは四万十スッ...
今年の鼈道
- 2021/12/10
- 18:37

スッポンとの付き合いも5年になるが、今年はあまり釣りに行かなかったので、釣果はシーズン全体で僅かに6匹を数えるのみであった。若干飽きて来たというのもある。今年は友人の中華料理店々主にせがまれなかったら1~2匹釣って終わっていたかもしれない。ただし、新しいネタもあるにはある。5月にベビースッポンを調達、数名に進呈して喜ばれたが、子供の居ない御夫婦には殊に好評だったようだ。亀が子供の代わりになるのかどうか...
南五味子酒
- 2021/12/07
- 18:00

サネカズラ(2021年12月02日/大阪府奥河内)10月に探訪した際にはまだ時期が早すぎて色づいていたのは僅かに一つか二つ位であったが、12月ともなれば殆ど真っ赤になっている。よくテレビなどでウイルスの拡大図のイラストを見かけるが、どことなくあれを彷彿とさせる奇妙ないでたちだ。どっさり採取してみたが、なんたらベリーとでもいった外貌は如何にも美味しそう。ただ、齧ってみたところ、実には殆ど味らしい味がなく、種の部...
今年の生薬探偵
- 2021/12/04
- 18:13

昨年10月には緊急事態宣言の間隙を縫うように何とか金匱植物同好会の観察会を敢行したものの、今年は宣言の長期化により、とうとう発足以来初めての開催0の年になってしまった。可能であれば夏あたり、海浜性薬用植物でも見て頂こうと思っていたのだが、残念である。自然海岸そのものが全国的に減少しつつあるから、早いうちに観ておかないと、少なくとも大阪では幾つかの種類は10年後に観察出来るかどうか確実な保証を出来る自信...
四万十すっぽん
- 2021/06/05
- 19:33

鼈道に足を踏み入れた当初から、高知の四万十川ではいつの頃からか養殖場から逃げ出したと思しきスッポンさん達が野生化して大繁殖しているらしいという噂を耳にしていた。さすが日本一の清流というだけあって、そこで育ったスッポンさんは臭みが少なく、泥抜きの必要さえないという。四国には時折出向くので何かのついでに釣り上げてやろうと思いつつも、四万十は高知の隅っこで中々機会を持てずに居て、昨年はコロナ騒動で鼈期の...