滝畑の薬草療法
- 2023/08/16
- 18:20

『河内国瀧畑左近熊太翁旧事談』の中に民間療法を扱った章があって、項数こそ極少ないものの、当時使われていたと思われる薬草療法の実際が垣間見られるようで、生薬探偵としては大変に面白く思った。民間薬の図鑑を紐解いたところで、今日では使われないものが殆どだから、個々の生薬の効能書きも何処かの書物からそのまま引き写して来ただけの場合が甚だ多い。左近熊太翁の話に出ているものは伝聞を交えて必ずしも滝畑で使われた...
ボウズからのまさかのガメラ
- 2023/07/27
- 18:11

昨年仕掛けを解体してから、作り直すのが億劫で延び延びになっていたけれど、先日ようやく重い腰をあげた。ところが、ナント釣果はまさかのボウズ、しかもアカミミ2匹、クサガメ1匹、ナマズ1匹という、かつてない悲惨な大漁の外道たち。過去、ボウズはそもそも2回しか経験がなく、一つは子供が花火を近くであげまくっていた為に亀がビビッて出て来なかったのと、もう一つは大水が出る前に同じ場所で釣ろうとして失敗した時で(...
禹餘粮石と山陽新聞
- 2023/07/24
- 18:01

佐川町散策の翌日、倉敷の寿元堂薬局に漢方家の北山進三先生をお訪ねした。以前は西日本遠征の行き帰りには殆ど必ずと言って良いほど立ち寄らせて頂き、ままかりを御馳走してもらうのを常としていた蒼流庵主であるが、コロナ以降は其の頻度も激減してしまい、もう一年以上もお会いしていなかったように思う。御邪魔して早々、先生から禹餘粮について知っているかと尋ねられたのだが、知っているもなにも禹餘粮は庵主がデビュー作「...
金植会の御感想
- 2023/07/13
- 18:11
昨日は薬用植物観察会ではありがとうございました。お天気にも恵まれ、初めての参加ではありましたが、とても興味深いものとなりました。普段、雑草地だと思っていた場所がとても豊かな植生があり、我々ヒトに有効な薬成分を提供してくれる存在であったとは思いもしませんでした。また、絶滅危惧種のハマビシ(蒺藜子)も観察できて感慨ひとしおです。観察会後の懇親会でも、さらに皆さんと交流できてとても楽しいひと時でした。感...
第五回金匱植物同好会
- 2023/07/10
- 18:02

昨日は凡そ三年ぶりとなる金匱植物同好会の観察会。これまでの四回は孰れも生駒金剛山系で開催したが、今回は趣向を変えて海浜性の薬用植物を中心に観て回ることにした。海浜性の薬用植物は植物園等では余り栽培されていないので、俗界の人々には出くわす機会が殆どないように思う。天候が最大の不安要素で、テレビではどのチャンネルをひねっても気象予報士が不要不急の外出を控えるよう呼びかけていたが、事前に得ていた易卦を信...
一年ぶりの四万十スッポン
- 2023/06/16
- 18:22

昨秋、三年間使いまわして来た鼈漁の仕掛けを解体してからリニューアルが億劫になってしまい、普段ならGW明けと同時に開始する筈のスッポン釣りに未だに行けずに居る。はしかも流行っているそうだし、免疫アップにそろそろ栄養補給しておこうと、いつもの四万十漁協さんより天然モノを送ってもらうことに。六月半ばになると大きい個体は少なくなるのか、中サイズしか在庫がないらしく、今回は中2匹で我慢。それでも普段釣っている...
ノチーノ
- 2023/06/13
- 18:42

戴きもののオニグルミの未熟果実を使って、イタリアの果実酒“ノチーノ”を仕込んでみることに。オニグルミも使えるのかは判らないが、胡桃は『千金方』や『証類本草』に記載され、金鎖丹や胡桃円、湧泉散などの処方に用いられる。西洋でも民間薬として利用されるそうだ。胡桃の実は熟すとカチカチになって庖丁では切れなくなるので、未熟果実を用いる。汁に被弾すると指や俎板に着いた色が落ちなくなって苦労するというので、手袋使...
生薬探偵飛鳥之旅
- 2023/05/10
- 23:54

今日は七年ぶりに大宇陀のカザグルマ自生地へ。前回の探訪時は少し花期を過ぎてしまっていて、ヘタった個体しか撮影出来なかった為、万全を期して臨んだが、ここで思わぬトラブルが発生、土地の所有者が農繁期で外出されていて立ち入りの許可が得られず、仕方なくフェンス越しに外から探すことに。結局、外から覗き見られるのは一個体のみで、それもかなり距離があって望遠で何とか撮影を試みるも鑑賞に堪える写真は撮影出来ず。薬...
禹餘粮を現金採集
- 2023/05/06
- 10:57

先日、六年ぶりに西日本最大のミネラルショーである石ふしぎ大発見展に行って来た。気軽に人を誘って出かけたものの、いつの間にか入場料を700円も取ることになっていたらしく、タダのものが700円では途端に行く気が失せるのは小市民の悲しい性という他ないが、初日は長蛇の列で入場まで10分以上かかったのは、来場者の石ならぬ意志の強固を感じさせてあまりある。年々国産の標本を販売する出展者が減少して、魅力の乏しい催しにな...
一年ぶりの白頭翁
- 2023/05/03
- 18:54

オキナグサ(2023年5月3日/兵庫県養父市)生薬探偵見習を同伴して一年ぶりに養父市のオキナグサ自生地へ。昨年、4月の暮れに訪れた時はまだ咲き始めであったが、今回は大半が既に綿毛になってしまっていた。春の訪れがいつになく早く感じられたが、其の後また寒気の戻りが見られて寒い日が続いたので、これが花期にどう作用するか、判断が付きかねたものの、どうやら少し早まったようだ。初訪時には全く気が付かなかったのだが道端...
大深当帰粉砕!
- 2023/05/01
- 10:54

一昨年、易学を個人教授した獣医師の女性から、立派な大深当帰を頂戴した。仏道修行をなさっているのが現在の大深当帰の生産地である高野町富貴の寺院とのこと。流石に11年前農家の人にタダでもらったものとは雲泥の差!取り敢えず、煮だしやすいように細かくしてみる。側根は剪定鋏で何とかなったが、ブッとい主根は鋏では如何ともし難く、引廻しノコで細断を試みたものの上手く行かず、思案した結果、金槌と鑿で砕いて行くことに...
旧大和水銀鉱山へ
- 2023/04/21
- 18:12

アルバムを見ると2010年11月6日となっていて、もうすぐ13年の歳月が流れようとしている訳だが、金剛山の旧千早鉱山附近の谷あいを散策し、初めて辰砂を手にした時の歓びは今も忘れがたい。余りの超貧鉱につき、程なくして奈良の多武峰鉱山へとフィールドを移したが、ここは千早とは打って変わって面白いように拾うことが出来た為、幾度となく通って、もうイヤという程の標本を集めることが出来た。もっとも、大半は横着して表面保...
生薬探偵紀南之旅
- 2023/03/30
- 18:18

十年一昔などというけれど、外来種の侵入や鹿による食害が著しい我が国の植生は当に十年一昔を地で行く状況と言う他ない。少し前なら普通に見られた筈のものが、今やどれだけ探しても見つからない場合が幾らでも有るというのは斯界の諸先輩異口同音に嘆く所である。小生も、生薬探偵道に於ける門人を得て数年、屡々伝授がてら案内しているが、場所の詳細も記憶しているから楽勝と思って下見に出かけたところ、幾ら探しても気配すら...
咲き始め
- 2023/03/16
- 18:06

今年は春の訪れが早くて、桜の開花も例年より早いようである。寒くて三月は大抵外出を控えるのだが、今年は久しぶりに山茱萸の花見に出かけた。サンシュユ(2023年3月15日/大阪府八尾市)遠目に見ると、蝋梅のようにも見えなくはないが、サンシュユは木の生え方が独特だし、近づいて花を観察すれば、梅とは全く異なる独特な形をしていて面白い。セリバオウレン(2023年3月15日/大阪府奥河内)この数年、黄連に関しては人を案内する...
今年の亀活
- 2022/12/28
- 15:37

昨年は意識して亀活をセーブした為、シーズン全体を通して僅かに五匹程度の釣果を上げたのみであったが、今年は醤油煮込という新メニューがレパートリーに加わったこともあって、出だしこそ遅くなったものの、後半は積極的な攻めに転じた。久しぶりのガメラ級サイズ!凶悪な表情をしていますがメス♀です。このコは友人の中華料理店に進呈し、常連さんに振舞われました。このギャングの親玉のようなイカツイすっぽんさんも中華料理...