数取象の難しさ②
- 2014/03/31
- 18:57

数の取象は難しい。しかし、だからと言って、このテーマを没却してしまう訳には行かない。実占上は問占者の求めに応じて大まかな数を提示する必要性に迫られることが少なくないし、数取象の問題は単に射覆的な遊戯だけでなく、時期の推断とも関係してくるからである。実際に用いられる数の取象法には以下のようなものがある。①加一倍法繋辞伝の「易有太極、是生兩儀、兩儀生四象、四象生八卦」から表出される「乾1兌2離3…」という...
数取象の難しさ①
- 2014/03/30
- 09:55
周易占法を用いて数字を当てるというのは、中々難しい。いや、中々どころか、かなり難しいと言って良いだろう。確実に正確な数字を当てられるなら、ロト6で大富豪になれる訳だが、これを試みて成功したという話を聞いたことがない(もっとも成功したとして人に言う筈がないから、密かに成功した大富豪がいるのかもしれないけれど)。そもそも、周易で数字を当てるのが困難であるのは、周易占法の機構そのものが正確な数字を表出す...
玄龍子先生、安らかに
- 2014/03/29
- 15:14

昭和30年・春日大社にて本日3月29日は、二代目玄龍子・目黒八朗先生(1905~1962)の命日である。ちょうど52年前の今日、先生は藤井寺市大井にあった御自宅で逝去された。56歳という短命であったが、その命を縮めた原因は、紀藤先生と同じく酒であった。玄龍子先生を直接に知る数少ない生き残りである麻野勝稔先生は、談話中に「あれだけの名人でも自分のことになると分らんもんかね」と仰ったことがあるが、安酒を大量に飲んでい...
競馬・競輪と易占
- 2014/03/28
- 20:12

大野→易の原理はなかなかむづかしいが、この前の対談記事を見て競輪、競馬の番号を当てて一もうけしたいと、紹介してくれといつて来た人がある。そんなのが当れば小玉さんは世界一の金持ちになると笑つたが・・・・・・・。小玉→易には「究数知来」といつて例えば今日は旧暦の十日だから後五日で月は丸くなる。これが天地自然の運行に伴って示されている。即ち数を究めて来を知るのが易数だが不自然の数には応用出来ぬ。宝くじとか...
株式投資に易占はどこまで有効か③
- 2014/03/28
- 12:08

~~~~~~~~~~~~~~~前略~~~~~~~~~~~~~~~荒井さんが、易占が株の売買に利用されることを憤慨された其の「憤慨」には、株式に対する誤解が入っているような気がします。株というものが、昔の米相場のように、米を引き取ったり売り渡したりする能力も準備も無い連中が、その上がり下がりで儲けようとするだけなら、それは賭け事に過ぎないので、そのような投機のために易が利用されるのを戒めるという考え...
株式投資に易占はどこまで有効か②
- 2014/03/27
- 23:51

昨日の記事で、「株式投資に易占を用いても大して利益は上がらないだろうと思う」と書いたが、これは正確ではない。本来の株式投資に易占を活用するのはむしろ有益だろう。「本来の」と予め断ったのは、一般の人々は「投資」と「投機」とを混同しているからである。投機とは、短期的な価格変動の目論見から、利ざやを得ようとする行為であり、将来の価格変動を前提にした或る種の博打である。本来の株式投資は、資本主義経済におけ...
株式投資に易占はどこまで有効か①
- 2014/03/26
- 21:03

未来が予測出来るなら、大金持ちになるのは簡単だ。占いなどに興味を持ちだした初心者なら、株式投資や競馬競輪に占いが応用出来ないものかと一度くらいは考えるハズである。勿論、それは初心者に限らない。真勢中州は、『八木相庭高下論』の序文において余や、若歳より万古。能く其の窮理の占に通ず。唯、糴糶(米の売り買いのこと)の占に於けるや、窮理の占を為すこと能わず、因りて三十年来・精思刻苦す。と言っているが、この...
椙山女学園大学・易学研究会
- 2014/03/25
- 19:08
中学や高校の部活と違って、大学にはユニークなサークルや同好会が沢山存在する。鴨川ホルモーの京大青竜会など、実に楽しそうだが、残念ながらこれは御話の中のサークルだ。しかし、現実のサークルでも興味を引かれるものは勿論ある。椙山女学園大学の「易学研究会」なども其の一つだ。たまたま、ネットで検索していて見つけたもので、椙山女学園大学というのも初めて知ったのだが、名古屋にある女子大で、日本の女子大最多の7学...
易湯呑
- 2014/03/24
- 20:12

易湯呑(表)以前、付き合いのあった白磁作家に作ってもらった易湯呑。信楽の調整土に、手彫りしてもらい、上から黒天目の釉薬をかけてある。黒天目の釉薬が何とも言えない深みを出していて、お気に入りの一品だ。易湯呑(裏)6つほど作ってもらったが、同学の士にプレゼントしているうちに、どんどん手持ちが少なくなり、今ではひと組しか残っていない。いっそ、六十四卦作ってもらおうかと思ったこともあるのだが、さすがに置き...
易塚~易史跡あれこれ~
- 2014/03/22
- 21:54

易塚(岡山県吉備津)易塚は、1922年、神儒仏に老荘を加味した宗教「福田海」の開祖である多田通幽(1862~1936)が、国家安泰易道隆興を祈願して、吉備真備ゆかりの地に建立せられた八角形の石壇である。通幽は我が国墓相学の元祖的存在で、系譜としては多田通幽(1862~1936)→松崎整道(1865~1948)→竹谷聰進(1904~1963)となる。六十四の石柱には、序卦の順序でそれぞれの卦が刻印されており、壇の中には易経中の文字を写経...
八卦堂~易史跡あれこれ~
- 2014/03/21
- 21:47

弘道館公園の案内板水戸駅前にある弘道館公園の梅林内には、後天八卦を其々の壁面に刻んだ八卦堂という小さなお堂があり、内部には藩校である弘道館の教育の基本を示した弘道館記碑が納められており、碑文は藤田東湖草案、第九代藩主徳川斉昭撰文である。法隆寺の夢殿を彷彿とさせる八卦堂オリジナルは昭和20年に戦災を被って消失し、現在のものは昭和28年に再建されたものである。意外につつましやかな八卦の細工説明版弘道館記碑...
陰陽道先師留魂碑~易史跡あれこれ~
- 2014/03/20
- 19:29

陰陽道先師留魂碑(護国寺内)陰陽道先師留魂碑は、1935年に大日本陰陽会(現社団法人日本易学連合会)が護国寺に建立したもので、毎年10月に同寺にて慰霊祭が営まれている。1928年、大日本陰陽会が社団法人の認可を受ける際、初代目黒玄龍子先生が尽力されたことは以前ご紹介した。日本易学連合会は、長い歴史を持つ割に、その活動があまり知られていないように思うが、手元にある昭和30年代の資料を見ると、専務理事に紀藤元之介...
八木喜三朗先生
- 2014/03/19
- 17:13

八木喜三朗先生(1901~1976)は、大阪で八木観相塾を主宰された人相学の大家であり、蒼流庵主人が親しくして頂いている麻野勝稔先生は八木観相塾の直門で、カラーブックスの本に記載されている子供の写真は全て麻野先生の提供に依るものだ。八木先生は二代目玄龍子の直門中、筆頭格の高弟であり、古い『実占研究』では、二人の対談が連載されていて、蜜月の関係を思わせるが、二代目の晩年に破門されている。破門の理由はさだかで...
蒙色望診と未病医学
- 2014/03/18
- 21:04

私は鍼灸にはまるで疎いのだけれど、古典的な鍼灸においては「瀉=鍼・補=灸」であり、鍼や灸にも用い方によって其々補瀉があるという考え方は、素問霊枢よりずっと下ってから出てきたものであると理解している。従って、全面的に灸法を用いる玄龍子流の蒙色治療を知った時には、正直なところ少なからぬ違和感を覚えた。しかし、今ではその違和感は私の中からすっかり一掃されているし、それどころか、蒙色望診こそ、東洋医学の理...
蒙色眼鏡
- 2014/03/17
- 20:22

その昔、竹安先生が作った蒙色眼鏡。私は現物を見たことがないので、何とも言えないが、一度作ったきりで、ロングセラーにはならなかったようだから、この些か法外な価格設定になっている眼鏡で、どれだけ蒙色が見えるようになるのかという気はする。一頃、オカルト雑誌の通信販売コーナーでよく見かけたオーラゴーグルのようなものだったのかもしれない。どうも、『実占研究』に広告されている竹安アイテムは、蒙色眼鏡にしろ健康...