新井白蛾先生生誕300年祭②~野田山~
- 2015/09/30
- 19:40

黒門にて(左から:加賀井先生、奈良場先生、蒼流庵主人)翌朝、バスで再び金沢駅へ出て、今度は大桑住宅行きに乗り換え、野田で下車。新しく建った住宅が随分多い様子で、見覚えのない風景が広がっていたが、なんとか墓地に到着する。管理事務所で墓地内の地図をもらっても良かったが、面倒なので6年前の記憶を頼りに、メインストリートを登っていくと、懐かしの黒門が右手に現われて、記憶が蘇って来た。黒門は別名白蛾門とも言...
新井白蛾先生生誕300年祭①~前夜祭~
- 2015/09/28
- 20:50

2015年は、日本易学中興の祖・新井白蛾先生の生誕300年に当たっていることから、生誕祭と言っては大袈裟だが、顕彰を兼ねたちょっとした集まりをと、昨夏から計画して準備を進めて来た。当初は一般参加も募る算段であったが、新幹線開通に伴う混雑なども予想されたので、今回は斯界の第一人者たる奈良場勝先生を顕彰会会長として、青木良仁先生、加賀井養賢先生、蒼流庵主人の四名での決行を目論んでいたものの、青木先生がお仕事...
キリ番自爆
- 2015/09/25
- 18:09

アクセス数22222を踏まれた方には、漢方誌『おけら』を進呈する手筈であったが、今回は不覚にも自爆してしまったようだ。恐らく他にもキリ番が表示された方も居たものと思うが、一見さんにつき気が付かれなかったか、易学関係者で今回のキリ番アイテムが不要であったのか、兎に角、何方も名乗りを上げられなかった。仕方がないので、今回は当選者無しということにして、『おけら』は次回キリ番33333までお預けということ...
『例解古語辞典』
- 2015/09/23
- 21:41

『例解古語辞典』(三省堂/1980年初版)私のように中国の古典を勉強している人間の場合、用語集のようなものを除けば辞書といっても漢和辞典の出番が99%であると言ってよいのだが、あれこれと字引をご紹介して来たついでに日本の古語辞典にもご登場願おうと思う。昔の医療の実際を知る為に、直接医学とは関わりの無い書物に眼を通す必要に迫られることもあろうし、占いの分野でも民衆を描いた些細なワンシーンに当時を理解するた...
白川静生誕之地
- 2015/09/22
- 20:50

白川静生誕之地記念碑(福井市大手3丁目フェニックス通り沿い歩道)春光苑時代の先輩であるS先生は、研修会解散後も親しく交流が続いている数少ない一人であるが、このS先生、拾いものの名人で、しょっちゅう定期券やら現金やらを拾うらしい。いつだったか、二人で京都の先斗町を歩いていた際、現金2万円が裸で落ちているのを発見して拾っておられたが、幸運に恵まれている人というのはこういうものかと恐れ入った次第である。こ...
狩谷棭斎のこと
- 2015/09/21
- 18:53

狩谷棭斎肖像江戸時代の末期に考証学が盛んになって、宋学に偏っていた我が国でもようやく説文学が起こったが、その嚆矢は狩谷棭斎(1775~1835)で、文政10年(1827)には松崎慊堂らと説文会を発足させた。棭斎は考証学の大家で、特に書誌学に優れたが、漢方を研究する上でも避けて通れない度量衡の研究にも打ち込み、その分野の著述は現在『本朝度量権衡攷』(全2巻)として東洋文庫に収められている。また、渋江抽斎らの師でも...
説文解字について
- 2015/09/20
- 18:51

許慎肖像後漢の古文学者・許慎(生没年不詳)の『説文解字』は、漢字の字源にアプローチする際に、まず第一に紐解かねばならない書物とされている。最も古い漢字字典であるから、これは当然だろう。近代に入って、金石文や甲骨文字など、さらに古い資料が多く現れた今日では、『説文解字』だけに頼るという訳にも行かなくなったが、それでも一人の優れた学者が試みた漢字解説の最も古い記録であるという点で、その価値は依然として...
『漢字語源辞典』藤堂明保著
- 2015/09/18
- 18:15

『漢字語源辞典』藤堂明保著(学灯社/1964年刊)1990年代に白川漢字学が大ブームを引き起こすまで、今日ご紹介する『漢字語源辞典』は、先の『漢字の起原』と並ぶ字源辞典の双璧であった。ちなみに、著者の藤堂明保氏(1915~1985)もアンチ白川の立場である。本書も加藤辞典と同じく、『説文解字』の説を多く採るものではあるが、字形ではなく、同音の字をおなじ家族に属するものと看做して語源を探るという方法を採用しており、...
『漢字の起原』加藤常賢著
- 2015/09/16
- 19:13

『漢字の起原』加藤常賢著(角川書店/1970年刊)易経の解説などで、経文中の文字の字源を詮索することに重きを置くような書物が時折あって、先日読んだ本もその手の一冊だったのだが、これがまた我田引水極まる酷い代物であった(著者に情けをかけて書名を挙げることは控えよう)。というよりも、この手の字源から説き起こしていく類の書物で、著者の試みが成功していると思えるようなものにはお目にかかったためしがない。もっと...
江戸時代の易占家に学ぶ
- 2015/09/08
- 20:31

左から:加賀井先生・奈良場先生・蒼流庵主人(ボスボラス・ハサンにて)5日の土曜日は奈良場先生が4月から開講されている連続講座「江戸時代、易占術のいろいろ」の最終回だったので、加賀井先生と二人でサプライズの為、青山のNHK文化センターを電撃訪問した。最終日ということで、花束を贈呈しようと考えていたのだが、こんな時に限って普段はいくらでも目に付く花屋がさっぱり見当たらない。信濃町から歩いたのだが、警官がウ...
『異体字解読字典』
- 2015/09/06
- 22:51

『異体字解読字典』(柏書房/1987年刊)異体字の読解に、私が普段用いているのは柏書房から出ている『異体字解読字典』である。本書は、1976年刊行の『難字大鑑』の縮刷版的内容で、ハンディな文庫版サイズ。この手に馴染む扱いやすさが中々いい。また、内容の半分近くを占める索引の充実ぶりは現代の字引ならではで、部首別に画数から調べるしかない玉篇などよりずっと早く目的の文字までたどり着ける。音訓索引もあって、見当を...