内藤湖南の通史
- 2016/01/29
- 18:20

内藤湖南全集第十巻(筑摩書房/1969年刊)内藤湖南の著作全集十四巻は、東洋史学を学ぶ上で欠くべからざるものであるが、自身で筆を起こした文はそれ程多くなく、講義や講演の内容を活字に起こして本人が加筆を行ったものが多い。それさえ、生前に書籍となって上梓されたものはあまりなく、没後、聴講者が筆記した講義ノートを元に編まれたものが多いのだが、異なった筆記者のノートを突き合わせて校勘するという作業は講義者本人...
『日本文化史研究』内藤湖南著
- 2016/01/24
- 10:56

『日本文化史研究』内藤湖南著(講談社学術文庫/1976年初版)内藤湖南の述作中、もっとも人口に膾炙したものは、『日本文化史研究』(上下)だろう。我が国の文化は古くより中国文化の影響を受けながらも、その中に独自のそして豊穣な文化が形成された。本書上下巻に収められた19の諸篇において、湖南は鋭い洞察と鮮やかな語り口でその本質に迫って行く。諸篇盡く精彩を放って捨てがたい魅力があるが、今日の日本文化が応仁の乱以...
『先哲の学問』内藤湖南著
- 2016/01/21
- 18:08

『先哲の学問』内藤湖南著(筑摩叢書/1987年刊)内藤湖南の本では、『先哲の学問』が一番好きだ。本書は、我が国近世の先哲を顕彰する為に行われた講演の記録に湖南生前のメモを参考として一冊に編まれたもので、戦後間もない1946年5月、弘文堂書房より初版が上梓された。1987年には筑摩叢書に入り、2012年にはちくま学芸文庫に収められて再び読書人の前に姿を現す。まだ、絶版にも品切れにもなっておらず、新本で購入できるようだ...
内藤湖南と恭仁山荘
- 2016/01/18
- 18:39

内藤湖南(1866~1934)大正15年、内藤湖南は60歳定年制にもとづき、京都帝国大学を退官、晩年を京都府瓶原村(現木津川市加茂町例幣)に建てた恭仁山荘(くにさんそう)で過ごした。奈良時代の一時期、この地域に都が置かれていたことがあり、現在、この恭仁京(くにきょう、くにのみやこ)跡地は国の史跡指定を受けている。聖武天皇の勅命により、平城京から遷都されたが、都としての完成を見ないまま、わずか三年で造営は中止さ...
内藤湖南の墓
- 2016/01/15
- 18:56

内藤湖南墓(法然院/京都市左京区鹿ケ谷御所ノ段町30)戦前の日本を代表する東洋史学者であった内藤湖南(1866~1934)は、慶応2年に南部藩士・内藤調一(1832~1908)の次男として陸奥国毛馬内村(現秋田県鹿角市)で生まれ、名は虎次郎、字は炳卿といい、湖南と号した。一般には号の内藤湖南として知られるが、湖南の号は生地が十和田湖の南であることにちなむ。秋田師範学校を卒業し、22歳で上京、新聞記者・ジャーナリストとし...
土塔
- 2016/01/10
- 13:48

頭塔は、もと「土塔」だったものとされているが、この土塔は堺市にもある(他には岡山の赤磐郡に類似の遺構があるらしい)。この土塔は、奈良時代の僧・行基(668~749)が建立したとされる四十九院のひとつ大野寺の仏塔で、『行基年譜』には神亀4年(727)の起工とあり、鎌倉時代の「行基菩薩行状絵図」(重要文化財)にも、本堂・門とともに「十三重土塔」と記された塔が描かれている。堺市の土塔は、平成16から同20年にかけて整...
久々の勝昌
- 2016/01/07
- 00:20

久々に台湾から勝昌のボトルを取り寄せた。前回の発注は昨年の5月だったから、もう半年以上空いている訳だ。最初の頃は3カ月に一度くらいは発注をかけていたのだが、どうしても最初は物珍しさから不要なものまでついついオーダーしてしまって、結局は持て余すことになるものの、それはそれで楽しんでいた。しかし、段々自分の使うものが絞れて来ると、そういうことも無くなって来るので、俄然発注回数も減り、一昨年あたりから、半...
或る日の紛失占
- 2016/01/05
- 19:11
暮れも押し詰まった29日の晩、さる高名な占術家から一本の電話がかかって来た。なにやら周章狼狽の様子である。普段先生とはメールでのやり取りが主で、お電話を頂くことなど滅多にないのだが、ナント、通帳と印鑑を紛失されたそうで、紛失占の依頼であった。ナルホド、これは慌てふためくのも仕方がない。ただでさえ、通帳と印鑑を紛失したとあっては一大事なのに、しかも年末。しかし、お電話を頂いたのは出先で、その上これから...
2016年を読む
- 2016/01/02
- 20:12

2016年の国内外の大勢について易筮で予測を試みる。①世界の大勢今年もまた不穏な得卦である。本卦が昨年と同じく雷火豊であるのは興味深い。繰り返しになるが、雷火豊は、雑卦伝に「豊は故多きなり」とあって、様々な問題や支障のある意を含む。昨年の一番大きな事件は11月のパリ同時多発テロ(死者数ではロシア機の墜落の方が多いが、国際的観点からは本テロほどに影響をもたらさなかった)だが、年の前半にも新年早々に17名の死...
謹賀新年
- 2016/01/01
- 18:06

蒼流庵随想をご覧の皆様、新年明けましておめでとう御座います。過ぎ去りし2015年は皆様にとってどんな年だったでしょうか?楽しからざる一年だった方は、陰徳を積んで開運し、2016年をハッピーな一年にしましょう。良き一年だったというラッキーな方は、今年は更に開運招福して、より良き一年にしたいですね。さて、元旦につき、恒例の年筮と行きたいところですが、今回は無筮立卦によって卦を得ました。最初は、筮竹で立てるつも...