ホジュンと瓊玉膏
- 2016/04/27
- 18:15

『寿世保元』や『本草綱目』に記載された神仙薬に瓊玉膏(ケイギョクコウ)という名の膏薬があって、ホジュンの『東医宝鑑』では巻一内景篇の養生延年薬餌に登場している。服用すると白髪が黒くなるとか、歯が抜けて生え変わるとか、六十四年間服用すると五百歳まで生きられるとか、大仰な効能が記されているのは神仙薬の例に漏れないが、吉益東洞に傾倒して疾医の道を説いた庵主の師は何故か此の瓊玉膏がお気に入りだったらしく、...
ホジュン名言集
- 2016/04/24
- 14:07

公式サイトから人気投票によって選ばれた名台詞ベスト10より、治療家にとって特に意義深いと思われる名言を集めて転載する。 世に知られた名医であれ、村の田舎医者であれ、人の命を扱う仕事はどの職業よりも高貴なものだ。しかし、最後の一つが欠ければ真の医員とは言えぬ。それが愛だ。病に苦しむ人々を憐れに思う心、真に病人を憐れむ心を持って初めて心医になれる。世の中が求める医員はただ一つ、心医だけだ。(ユ・ウィテ...
ホジュン 宮廷医官への道
- 2016/04/21
- 18:39

ホジュンと言えば、なんたってイビョンフン監督の『ホジュン 宮廷医官への道』だろう。90年版では、医者を志すまでのホジュンは単なるゴロツキなのだが、本作では密貿易団の首魁となっている。そして、逃亡先で山陰の名医ユ・ウィテと出会い、“心医”になることを誓う。師の死後、科挙の雑科を受けて内医院の医官となり、御医に上り詰める。宣祖崩御の責任を取って流刑となるが、朝鮮一の医書『東医宝鑑』を完成させ、王位を継いだ...
ホジュン 真実の生涯
- 2016/04/18
- 18:44

昨日のワークショップで基調講演を行った安相佑先生(現在、京都大学人文科学研究所招聘客員教授として日本滞在中)は、許俊(1539~1615)の『東医宝鑑』がユネスコの世界記録遺産に登載されるに当たって尽力された人物で、安先生の講演は昨年も拝聴している。先週TSUTAYAにて『ホジュン 真実の生涯』を借りてきて毎晩少しずつ視聴しているのだが、別に今回のワークショップに合わせた訳ではない。ホジュンの生涯のドラマ化は過去...
伝統医療文化国際ワークショップ2016
- 2016/04/17
- 23:37

今日は久しぶりに京都大学の人文科学研究所にて開催の「伝統医療文化国際ワークショップ2016」に参加して来た。昨年のワークショップと同じく、韓国の研究者を中心にした講演会で、日本人の演者は矢数道明先生の令孫・矢数芳英先生お一人。韓国側からは4人の演者が発表されたが、通訳を挟むからか、前回同様いま一つ勢いに欠けるところがあって、どうも集中力が持続しない。さらに集中力をそがれる要因となったのが、一眼レフを駆...
国手・永富独嘯庵先生 没後250年
- 2016/04/13
- 15:35

永富独嘯庵墓と蒼流庵主人今日は、国手・永富独嘯庵先生没してちょうど250年目の命日に当たる。亀井南冥による墓碑銘には「明和丙戌三月五日」と刻まれており、明和三年三月五日は、太陽暦に直すと1766年4月13日となるのだが、困ったことに現代では漢方家と雖も暦の知識が欠如しているのが普通らしく、新暦の3月5日を命日と勘違いしてお参りする人が後を絶たないらしい。旧暦と新暦とでは普通ひと月ほどのズレが生じるのだが、例え...
コピー機、この有難きもの
- 2016/04/12
- 18:04

国会図書館の遠隔複写は大変有難いサービスだが、もっと言えば、コピー機というものに現代の我々はどれだけ助けられているか知れない。一昔前なら、図書館などから借り出した書物を写すには、自分で筆写するしか無かったのだから。書物が木版刷りだった時代は、本そのものが今のように安価ではないから、全項を筆写した涙ぐましい写本が多く存在する。もっとも、昔の本は現代のそれと比べて全体に文字数が少ないので、よほど大部な...
感謝の30000ヒット!
- 2016/04/07
- 11:49
昨日、蒼流庵随想のアクセスカウンターがとうとう30000の大台に乗った。アクセス数はさして伸びていないが、一年前から記事の更新頻度を三分の一に減らしたことを考えれば、実質的には伸びているのかもしれない。昨年夏あたりからの東洋学関連の連載は、漢方家にも易学家にも関心の薄い分野らしく、アクセス数も拍手の数も停滞している。しかし、あの程度の内容について来られないようでは、漢方にせよ易学にせよ其の程度もたかが...
遠隔複写
- 2016/04/04
- 18:08
国会図書館の遠隔複写は、実に有難いサービスで、庵主は頻繁に利用している。この頃は、随分古い論文も検索にかかるようになって来て、一週間ほど待てば、地方に居ながら、それら貴重な情報にアクセスすることが出来るのは大変嬉しいことだ。勿論、全ての論文が検索可能かと言えば、そんなこともないのだが、それでも、一昔前とは隔世の感があって、我々が情報技術の進歩から受ける恩恵には多大なものがある。一枚税抜24円の複写料...
国会図書館関西館
- 2016/04/01
- 18:43

国立国会図書館関西館(京都府相楽郡精華町精華台8丁目1−3)先日、初めて国会図書館の関西館へ行って来た。恥ずかしながら、足を運ぶのは初めてのことだ。永田町の本館は何度も利用しているが、これまで関西館はわざわざ出向くほどの必要性が無かったのである。つい先日開館したと思っていたのに、もう16年というから月日の経つのは早いものだ。今では国内の出版物は本館と関西館とに一冊ずつ納本することが義務付けられているが、...