経文は暗記すべきか
- 2017/08/29
- 18:58
象占は兎も角として、辞占を主とするなら、卦爻辞は暗記しておくべきだという人が居る。勿論、いつ何時無筮立卦の必要に迫られぬとも限らないから、暗記しておくに越したことはないだろう(周易は経書の中では小さいものであるから、それほど難しくはない筈)。ただし、経文をそらんじることが出来るということは、テキストが不要であるということを意味するものではない。この点は非常に重要であるが、理解していない人が多いよう...
蒼流庵易占法秘伝⑥
- 2017/08/26
- 19:09
本日ご紹介するのは、立卦や読卦における小手先のテクニックというより、或る種の易占上達法の部類に入るものかもしれない。とすれば、個々のテクニックなどより更に重要な事柄であるとも言い得よう。それは、卦を得て占考に臨む際、本卦の全辞に目を通すというものである。場合によっては、之卦や互卦もその対象にすべきだが、取り敢えずは本卦が対象。三変筮の辞占を常用とする占者(要するに現今の易占家の殆ど)は、辞と言えば...
蒼流庵易占法秘伝⑤
- 2017/08/23
- 19:51
連続して立卦時におけるささやかな工夫を彼是ご紹介して来た訳であるが、以前にも少し書いたことがあるように、立卦は求占者自身にやってもらうのが、今までのところ、最も手応えが良いようだ。求占者に易の心得がある場合を除けば、このスタイルなら、占における必然性と初心の立卦とを兼ね備えることが出来る訳で、私自身の得卦観に照らして最も理に適った立卦法ということになる。勿論、この方法を採用しているのは私だけではな...
蒼流庵易占法秘伝④
- 2017/08/20
- 16:58
卦を起こす時、たいていは目を閉じて占題を念じながら筮竹を捌いたり、賽を振ったりすると思うが、私は開眼でやっても一向に構わぬと思うし、その利点もまたありそうな気がしている。閉眼で瞑想などしてみると判るが、目を閉じると雑念が次から次へと湧いて来て往生するようだ。そのためであろうか、対象物に集中することで、雑念を起こりにくくするタイプの行法もあって、密教で行う阿字観など代表的なものであろう。以前に、得卦...
蒼流庵易占法秘伝③
- 2017/08/16
- 20:01
近代易の大きな功績といえば、真勢流における筮前審事の重視から更に一歩を進め、占的の明確化を打ち出した点も其の一つであろう。昔は占的がかなり大雑把で、それ故に神明の占もあり得たのかもしれないが、記録に残っていないトンデモな誤占も亦多かったに違いない。その点では、占的を明確化するのが当たり前のようになった昨今、入神の名人も居なくなった替りに、目も当てられない誤占を連発するようなへたっぴも居なくなって、...
蒼流庵易占法秘伝②
- 2017/08/13
- 11:49

前回の記事では、スランプ脱出法として、立卦具を変えてみるという方法をご紹介したが、同様の効用を期待出来るものとして、立卦の仕方を変えてみるという工夫もある。これも私自身、経験してそれなりに手応えを得ているものだ。立卦の仕方には大きく分けて二通りの方法がある。高島嘉右衛門の有名な写真は易占家なら等しく印象に残っているものと思うが、念の為、掲載してみよう。まさに、入神の筮といった趣きがある。そして、其...
蒼流庵易占法秘伝①
- 2017/08/12
- 14:37

秘伝やら奥義やらといった大仰なコケオドシが大嫌いなたちゆえに、思わせぶりな宣伝文句のセミナーなどを見ると嫌悪の感を覚えるのだが、自分の易占法にも秘伝的なものがない訳ではない。もっとも、それがあればただちに優れた占が出来るといった性質のものではないし、所詮は小技の部類に入るものに過ぎないが、得てして秘伝等というのはそういったものが過半を占め、白蛾の秘伝集などを紐解くと、あまりに汎用性のないものばかり...
占機と初心
- 2017/08/08
- 21:21
しばらく私の得卦観を披歴して来た訳であるが、聊か言葉足らずで誤解を招いた点があったかもしれない。勿論、卦の応不応における占機の重要性や射覆手品説など、論じたことの骨子は聊かも変更の必要がないと信じているが、これは占機を捉えていない筮は絶対に不応卦が表出されるとか、射覆は絶対に的中しないといった意味ではない。実際、私もつまらぬことで筮を執ることが無いでもないし、宴会の幹事を任された時など、最終的な店...
初心者の名占
- 2017/08/07
- 19:56

年輪を重ねて修練を積めば上達向上を見るというのは、どんな分野にも共通していそうに思うが、必ずしもそうとばかりは言えないらしい。占いの分野では、意外に初心の頃に名占と思しき経験が集中する傾向があるようだ。単なるビギナーズラックの類と思えなくもないが、それにしてはかかる経験を頻繁に耳にするような気がする。私自身もそうであるし、今でも神業としか言いようのない青木先生の占技にはいつも驚かされてばかりだが、...
卜神と再筮卦
- 2017/08/04
- 19:07
ふと思ったことだが、不応卦否定派にとって、蒙卦に説かれるところの“瀆るればすなわち告げず”の卦は、一体どういったものになるのだろうか。私にとってはこれも不応卦の一種であるが、不応卦はそもそも存在しないという立場に立てば、これは再筮卦とでもいって別に区別すべきものであるのか、それとも占の俎上に上らない単なる“卦”に過ぎないのか。まぁ、どうでも良いことかもしれないが・・・。ところで、問占者に感応して卦爻を...