木藤家アルバムより①
- 2018/03/31
- 22:02

木藤会長より恵与されたアルバム中(ほとんどの写真は昭和30年代のもので、僅かに40年代初頭のものが含まれている)、まずは紀藤元之介先生の写っているショットをいくつかご紹介。五浦にて加藤大岳先生のカラーの尊影は、ブックスエソテリカに掲載されているが、紀藤先生のは目にした記憶がない。恐らくは、初公開ではないだろうか。ムチムチのおばちゃんは、大熊茅楊先生。四天王寺での講演右端は仁田丸久先生催眠術講座にて(右...
木藤家訪問
- 2018/03/30
- 23:30

2月に30年住まわれた北摂のお住まいを引き払って、終の棲家へ引っ越された易学供養塔護持会の木藤会長(紀藤元之介先生のご長男)のご新居へ訪問。青木良仁先生と旧宅にお邪魔したのは、思い返せば、もう7年も前のことだ。お邪魔して早々に、最近買い始めたばかりというフレンチブルドックが、犬猫嫌いの蒼流庵主人に容赦なく吠えかかる。。御身内以外で訪問する初めての客という栄誉を担いつつ、わんちゃんが慣れるまで、BGMのよ...
『漢方処方・口訣集』北山進三編
- 2018/03/23
- 18:15

『漢方処方・口訣集』北山進三編(寿元堂薬局/2017年刊)日本漢方は理論の無い“口訣漢方”などと揶揄されることがあり、勿論、口訣に頼り切った理論放棄の危険は今さら述べるまでもないが、この口訣の中に、日本人の体質風土に合った経験の蓄積が存在することは間違いない。従って日本で漢方治療を行おうとするならば、非常に参考になる臨床上のヒントが沢山詰まっているのだが、それらの口訣を本格的に集成した書物というのは意外...
『誤解だらけの漢方薬』北山進三著
- 2018/03/20
- 18:26

『誤解だらけの漢方薬』北山進三著(岡山リビング新聞社/2011年刊)最近出る漢方の本にはロクなものがない。すると俄然、本を買うのは、古本を漁るか、中文書を取り寄せるかの二択になる訳だが、そういう先入観のせいで、うっかり良書を見逃してしまうということもある。『誤解だらけの漢方薬』はそんな一冊だ。著者の北山進三先生は、倉敷で寿元堂薬局を開局されている折衷派の漢方家で、薬局は歯ブラシも栄養ドリンクも置かない...
『漢方と民間薬百科』大塚敬節著
- 2018/03/17
- 09:47

『漢方と民間薬百科』大塚敬節著(主婦の友社/1966年初版)大塚敬節先生と言えば、一般には昭和漢方復興の功労者として、そして『傷寒論』の大家として其の名が記憶されているが、誤解を恐れずに言うなら、其の真の功績と言うべきは、民間薬への取り組みではなかったか。そもそものきっかけは、太平洋戦争の煽りを受けた輸入生薬の欠乏にあったらしいが、其の後、生薬供給が安定したこともあり、大塚先生以外の諸家は民間薬に殆ど...
『薬用植物~採集と栽培~』森田直賢著
- 2018/03/14
- 18:44

『薬用植物 ~採集と栽培~』森田直賢著(主婦の友社/1976年刊)富山医科薬科大で教鞭を執られた森田直賢先生(1927~2015)の『薬用植物~採集と栽培~』は、種々の薬用植物について簡単に解説した初心者向けの本であるが、栽培方法が書かれているというのが大きな売りである。庵主には園芸の趣味が全くなく、採取した附子を植木鉢に埋め込んだ経験が一度あるのみだが、季節ごとの変化を手軽に観察出来るという点では、栽培も勉強...
『和漢薬』赤松金芳著
- 2018/03/11
- 09:26

『新訂和漢薬』赤松金芳著(医歯薬出版/1970年刊)漢方を生業とする人と話していて、此の本を知らない人が多いのにいつも驚かされる。生薬学としての内容(どういった成分が単離され、動物実験で○○の作用が確認されたとかいった)が古すぎるからであろうか。しかし、此の書物の永遠の美点はそんなところにあるものではない。其の真価は、各生薬が『神農本草経』や『本草綱目』といった歴代の本草書のどこに記載されているかが、一...
『原色和漢薬図鑑』難波恒雄著
- 2018/03/08
- 18:50

『原色和漢薬図鑑』難波恒雄著(保育社/1980年刊)1980年に保育社から出た『原色和漢薬図鑑』は、我が国の生薬図鑑としては記述が取り分け詳しい優れたものということで、利用者も頗る多いようだ。生薬には異なる基原が複数あるのが普通だが、それらについても詳しく論じてあって、図版も基本的に飲片である。が、本当に全幅の信頼を置ける書物なのかというとそうでもないようだ。たとえば、上巻380頁では、後藤艮山を名古屋玄医の...
『原色漢薬と飲片図鑑』顔焜榮著
- 2018/03/05
- 18:03

『漢方の臨床』最新号の秋葉先生の記事を読んで、“現代の神農”顔焜榮先生が、昨年の降誕祭の日に93歳で長逝されていたことを知った。先生の著書は随分前に『図解常用漢方処方』を取り上げたことがある。今日は同じく顔先生の『原色漢薬と飲片図鑑』を紹介してみたい。ちょうどこの本を取り上げようと思っていた矢先に訃報を知ったのである。『原色漢薬と飲片図鑑』顔焜榮著(南天書局/1982年刊)原著は、台湾で金鼎奨という著名な...
イエマイルを終えて
- 2018/03/02
- 18:50
漢方医家のイエマイルを意識的に行うようになったのは一昨年の春であったが(それまでにも東洞や天民の宅跡は足を運んでいるが、意識的に行うようになってからは、石碑の類ではなく通りそのものを目当てに散策するようになった)、『平安人物志』を手掛かりにしてのイエマイルは、2015年の9月に試みた新井白蛾の宅跡探訪が最初である。当初は、先に述べた通り、当人の活躍した場所の空気や人気のようなものを感じることが出来れば...