升麻を求めて~生薬探偵の冒険~
- 2018/10/02
- 22:32

サラシナショウマ(2013年10月2日/奈良県)『名医別録』に上品として収載されている升麻は、キンポウゲ科サラシナショウマの根茎で、仲景方では麻黄升麻湯と升麻鼈甲湯の二方に用いられている。他にも、乙字湯や補中益気湯、立効散などの頻用処方に用いられていて、漢方治療には必要不可欠の生薬だ。辛涼解表薬で 李時珍によると薬名の由来は葉が麻に似て、上昇の能があるためであるという。キンポウゲ科には毒性の強い植物が多い...
附子を求めて~生薬探偵の冒険~
- 2018/10/01
- 18:55

トリカブトの花(2013年10月1日/大阪府南河内)『神農本草経』下品の部に、烏頭・附子・天雄の別項で記載されているのは、いずれもキンポウゲ科トリカブトの塊根である。代表的な散寒薬で、仲景方では附子が三十四方に用いられる他、烏頭を用いたものが五方、天雄を用いたものが一方見えている。烏頭に出来る側子が附子で、烏頭が側子を生ぜず、肥大化したものが天雄であるらしいが、馬王堆の出土医書『五十二病方』では十二か所に...