ファットウッドを求めて~肥松探偵の冒険~
- 2019/02/26
- 18:30

「肥松(こえまつ)」というものの存在を生薬探偵に吹き込んだのは、アマチュア古生物仲間のまるび氏で、なんでも、松の樹脂が枝と幹の境目付近に長年溜まって生じるもので、これさえあれば、炭をおこすにも、小枝や新聞紙などというシケた小道具を使わずに、簡単に火が着けられるのだという。着火剤はホームセンターでも安価で売られているが、最近、ナウいアウトドア愛好家の間では、天然モノの着火剤たる肥松(ファットウッドと...
王不留行を求めて~生薬探偵の散策~
- 2019/02/24
- 19:05

今年は暖冬のお蔭で、寒さに弱い生薬探偵も実に快適な日々を過ごしているのだが、今日はお天気が良かったこともあり、この時期には滅多にしない公園散策にでも繰り出してみようかという気になった。といっても、単なる散策では面白みがないので、まだ観ていない王不留行の基原の一つ「オオイタビ」があるという岸和田市の蜻蛉池公園へ向かうことに。公園管理事務所の傍にあるというので探してみたが、それらしいものが見当たらず、...
穿山甲を求めて~生薬探偵の購入~
- 2019/02/21
- 18:55

穿山甲と言えば、全身が鱗で覆われた奇妙な動物で、インドから東南アジアにかけて4種、アフリカに4種が生息しているという。近年の分子系統解析によると、ネコ目、ウマ目の近縁種らしいが、姿かたちからは一寸想像がつかない。鱗を生薬として用い、『新修本草』には既に見えているから、割と早くから知られていたものなのであろう。蒼流庵の玄関に鎮座しているのは、5年ほど前にヤフオクで落札したもので、状態があまり良くないこ...
蝦夷鹿を食らう~生薬探偵の食卓~
- 2019/02/18
- 18:26

写真はweb上より拝借昨年、釣り上げた2.7キロのお化けスッポンを藤田登太郎先生の与州窯に持参して鍋を囲んだ際、「鹿も美味い。猪も美味い。熊も美味い。しかし、何と言っても一番美味いのはエゾ鹿よ」と唆され、以降気になって居たものの、まさか北海道までハンティングしに出かける訳にも行かず、とうとう、十勝の肉屋から取り寄せることに。値段は部位にもよるが、100gで200~550円と熊に比べてずっとリーズナブルで買いやすい...
奇人たちの晩餐会
- 2019/02/16
- 13:50

コメディ映画というのは余り観ないクチだが、フランシス・ヴェベール(1937~)の『奇人たちの晩餐会』は、割に好きな映画の一つで、手元にDVDがあるから何度か観返している。1998年のセザール賞で脚本賞、主演男優賞、主演女優賞を受賞したというから、評価の高い作品であることが窺われよう。最初は地上波の深夜放送で視聴して、たぶん2001年か2002年頃だったか。2010年に『奇人たちの晩餐会 USA』というリメイク作品が作られて...
医人たちの歓迎会
- 2019/02/14
- 18:45

今日は、お世話になっている「さきたまオケラの会」の重鎮・向川朝子先生が蒼流庵主人に替わって新しい関西支部長に就任されたので、歓迎会として、豊中にある寿司上野坂さんに繰り出して来た。なんでも、さる高名なブルジョアのドクターが自らの邸宅内に構えたという一風変わったお店で、ここも子孫マイラーの今井先生に紹介して頂いたのだが、ランチは信じられないほどリーズナブルで、自宅から相当遠いにも関わらず、気に入って...
医人たちの新年会
- 2019/02/08
- 08:10

昨日は整形外科医で子孫マイラーの今井秀先生と京都にて少し遅めの新年会。昼過ぎに後藤艮山の墓所がある紫野の上品蓮台寺で待ち合わせ、初めてご住職と面談頂いたあと(なんと住職の父君祖父君共智山派の管長を務めた方らしい)、今井先生が予約された市役所近くの「二条 有恒」さんへ。店名は、HPによると、「変わらない為に、変わり続ける」というコンセプトに由来するそうだが、我が蒼流庵随想の読者諸賢は、これが易卦雷風恒...
医人たちの晩餐会
- 2019/02/04
- 20:18

昨日、老老介護にいそしまれるようになって久しい春光苑時代の同門で大先輩のS先生と、天満橋にある「お料理 堀川」さんへ繰り出してきた。時々子孫マイルの第一人者で整形外科医の今井秀先生に連れて行ってもらうお店で、よく考えると今井先生以外の人と行くのは今回が初めてのこと。もっとも、今回は偶然にもニアミスで、今井先生は講演を終えてランチタイムに整形外科医のお仲間五名で来店されたらしく、なんでも昼の日中から、...
『デュークグリーンファーマシィ』ジェームズ・デューク著
- 2019/02/03
- 16:54

『デュークグリーンファーマシィ』ジェームズ・デューク著(健康産業新聞社/2001年刊)前回の記事を書いていて、私は随分昔に買った一冊の書物のことを思い出した。その本、『デュークグリーンファーマシィ』を私に紹介してくれたのは、コムケアの佐藤修さんで、確か訳者が友人であるというような話だった気がするが、何分十数年前の話で詳しい事は忘却の彼方だ。当時、私は中国から伝わった医学ではなく、純粋な日本の医学、いわ...
帰化植物の漢方的利用について
- 2019/02/01
- 21:09
以前、さきたまオケラの会の機関誌『おけら』第10号の発行記念ということで、各自漢方関連の愛読書5冊を挙げて簡単に紹介するという企画があった際、私は内島保定の『古方節義』や石国璧の『経方要義』、岡本一抱の『広益本草大成』に続けて大塚敬節先生の『漢方と民間薬百科』を挙げ、以下のように書いた。大塚敬節先生(1900~1980)と言えば、言わずと知れた昭和漢方の第一人者であるが、大塚先生の最大の業績は、傷寒論研究でも...