京都医学史研究会にて
- 2019/03/28
- 23:36

いつも京大の研究会でご一緒している京都医学史研究会の葉山美知子先生よりご依頼を頂き、京都府医師会との協賛で開催される学術講演会にて発表させて頂いた。テーマは、以前にもご紹介した寺田貞次先生と掃苔録の金字塔『京都名家墳墓録』収載の医家について。3年ほど前に『漢方の臨床』誌にて発表した内容を少々肉付けした程度で、特に何か其の後の研究成果などが盛り込まれている訳ではないのだが、過不足なく90分の規定時間ド...
『天を相手にする』井上文則著
- 2019/03/24
- 18:30

『天を相手にする』井上文則著(国書刊行会/2018年刊)昨年国書刊行会から出た『天を相手にする』が、庵主の如き市定フリークにとって堪らない書物であるのは言うまでもない。私がそうであった様に、宮崎先生の著述を通して、中国ないし其の文化の一端を垣間見た、或は垣間見たような気になった読書人は少なくないと思う。いや、それどころか、一般の読書人にこれほど受け入れられた此の分野の著述家は他に一人も居ないのではない...
宮崎イエマイル
- 2019/03/19
- 18:41

ハカマイラーは全国に数居れど、居宅跡探訪家、つまりイエマイラーは、そうは居るまい。昔は住宅地図のような精緻なものが無い為、墓所墓石のようにピンポイントで対象を特定出来ないというのがネックになるニッチな分野であるが、近現代のものは何とかなるので、鬯盦イエマイルに続いて、つい先日、宮崎市定イエマイルを敢行して来た。一時期纏めて読んだ宮崎市定先生の中公文庫のシリーズが、庵主の支那学の基礎となっている為、...
鬯盦イエマイル
- 2019/03/14
- 18:02

漢学系のハカマイルで随分苦労したのは神田喜一郎である。祖父香巌の髭塚がある玉林院に目星をつけてみたり、東本願寺の有力な檀徒であったらしいというので、大谷祖廟を3時間かけて隈なく歩いてもみたが、見つかったのは和田アキ子さんの建てた墓(あの和田アキ子さんかどうかは定かではない)くらいのものであった。そんな折、わが蒼流庵随想の見知らぬ読者氏から、神田家が京都ブライトンホテルの西にある長徳寺の檀家であると...
漢学ハカマイルあれこれ
- 2019/03/10
- 09:32

昨年は可憐なお花の写真をアップする事に明け暮れて、墓参記事は一つも書かずに過ぎたが、全くハカマイルをしていなかった訳では勿論ない。撮り溜めた写真も結構な数になって来たので、おいおいご紹介して行くことにするが、今回は昨年の探墓も含め、これまで紹介して来なかった漢学関係のものも併せていくつか。公田連太郎墓公田先生の墓所は、実は10年前に行っているのだが、その時の写真はイマイチだった為、昨年上京した折に撮...
掃苔十周年
- 2019/03/05
- 18:39

本日3月5日は、我が掃苔道丸十年という誠に記念すべき日である。私は漢方ハカマイラーとしては恐らく日本一であろうと自負しているし(長らく幻とされて来た岡本一抱の墓碑の写真を探し出して来たり、岡本玄冶クラスの墓碑を新たに見出したのも大きな成果であったと思っている)、易学ハカマイラーとしては間違いなく、頂点に立っている(なにせやってるのが一人しかいない笑)。カテゴリの墓参録も既に400近くに迫っているが、ま...
大塚敬節先生記念碑~高知漢方史跡~
- 2019/03/04
- 18:05

昨年9月、六年ぶりに自らの意志で植物園に出向いたという風に書いたが、これは正確な書き方ではなかった。私の目当ては植物園そのものにはなく、薬用植物区に建立された大塚敬節先生の記念碑にあったからで、目的物が植物園内にある為、そこに辿り着くには入園せざるを得なかったというのが正しい。とすれば、はやり自らの意志で植物園に出向いたのは、後にも先にも一度きりということになる。それは兎も角として、目当ての碑は、2...
牧野植物園
- 2019/03/03
- 13:10

昨年9月、四国入りしたついでとして、久しぶりに植物園に足を運んでみた。自らの意志で植物園に行くのは、2012年の奈良県薬事研究センター(とはいえ此処を植物園と表現して良いものかどうか判らぬが)以来だから6年ぶりのことだ。到着したのが夕刻だった為、足早に回ることに。回廊はドライミストで霧っているので、カメラが濡れないように注意が必要。薬用植物区を重点的に散策する。花が無いとやっぱりなんだかよう判らんね。そ...
『生薬の花~武田薬品創業230周年記念~』
- 2019/03/02
- 15:13

『生薬の花』(武田薬品工業株式会社/2011年刊)『生薬の花』は、武田が創業230周年を記念して刊行した非売品の書籍で、何部刷られたものか判らないが(武田の規模を考えると相当な部数ではあろう)、国会図書館にも納本されておらず、古書サイトにも出物がないから、稀覯本と言えば言えるのかもしれない。薬局方記載の薬用植物149種から汎用されているもの58種を収載し、「地下部」「樹皮」「地上部」というように薬用部位順に配...
武田薬品工業京都薬用植物園
- 2019/03/01
- 18:10

漢方をやっていて、生の薬用植物に興味があるという人は大抵薬用植物園に行くらしい。しかし、そんなところに幾ら通ったところで、実際の生育環境を知ることが出来ないのは勿論のこととして、共生植物に関する情報も得られないし、画一的な環境に植えられているものばかり見ても、フィールドで探し出す“眼”を養うということは出来そうにない。季節ごとの成長する姿を観察出来るという点では幾らか益もあるとは言え、やはり、私のよ...