黄帝社
- 2019/06/25
- 18:01

粟島行春先生は、『傷寒論』の講座以外に、『素問』の講座を東京と大阪で開講されていて、第一の「上古天眞論」から最後の「解精微論」まで凡そ20年の歳月をかけ、殆ど完全版と言って良い精緻な解説が行われた。検討された註解は、王冰や呉崑、張志聡など中国の歴代諸家は言うに及ばず、本邦医家では岡本一抱を中心に丹波元簡や昭和の柴崎新義解も俎上に載せられ、その中でたいてい柴崎素問は血祭りの感があった。ところで、現在...
末広がりな80000ヒット!
- 2019/06/24
- 17:12

本日、アクセスカウンターが80000の大台に乗った(キリ番自爆)。一連の生薬探偵シリーズでは、実際の観察時期と記事の掲載日をリンクさせる為、昨年は結構更新頻度を上げざるを得なかったが、今年は少しゆっくりと爻辰じゃなかった更新させて頂いている。今年は易学関連の連載を再開すると仄めかしていたものの、なかなか果たせずに今しばらくは雑多な内容で更新させて頂くことを許して欲しい。というのは、最近とりかかって...
観察された薬用植物
- 2019/06/16
- 10:12

金匱植物同好会の第2回観察会で見られた薬用植物は、最初33種とカウントしていたが、その後、だんだん増えて現在43種になっている(カウントし忘れていたものや新たに本草書に記載が見いだされたものなどが後から追加された)。当日は集合写真を除いて、植物の写真は一枚も撮っておらず、昨日、松浦薬業の加藤先生よりDVDに焼かれたものが送付されて来たので、その中から幾つかご紹介したいと思う。トチバニンジン(竹節人参)今...
金匱植物同好会第二回観察会の御感想
- 2019/06/12
- 18:21

前回に引き続き参加させていただきました。初回の面白さ以上求めちゃいかん!と気持ちを抑えての参加でしたが、これまた初回を上回る面白さでした。今回のメインテーマは「竹節人参」を観察するということで事前に調べて行ったにもかかわらず、先生が竹節人参を指して「これ何か分かる?」と尋ねてこられたのに答えることができませんでした。山の中に入ると似た植物だらけで 最初は見つけることに必死になりますが、何時間も歩い...
生薬探偵と歩く奥河内~金匱植物同好会第二回観察会~
- 2019/06/09
- 18:02

今日は、金匱植物同好会の第二回観察会で奥河内を散策して来た。参加者は総勢12名、遠方では兵庫の三田から来られた方の他、“伊吹山の主”こと松浦薬業の加藤久幸先生も名古屋より遠路はるばるご参加くださった。前回の大和葛城山より標高が低く、曇天も加わって比較的涼しい中、およそ7時間の行程で快適な観察会となった。全体に、前回よりも充実した観察会であったとの好評を得て、主催者として胸をなでおろしているところである...
『漢方学術交流訪中団中国訪問記』粟島行春著
- 2019/06/08
- 13:13

『漢方学術交流訪中団中国訪問記』粟島行春著粟島行春先生は、1970年代の早い時期から中国に渡って各地の中医学の拠点を歴訪、討論会などを催して活発な学術交流を行っておられたが、帰国すると手書きの訪問記を執筆しては参加者に配布しておられた。何年か前、昭和54年に井藤漢方製薬の後援で行われた訪中記録を製本したものを古書店で入手したが、40年前の中国の伝統医療事情の肉声が聞こえてくるようで、斜め読みするだけでも中...
『喫茶養生記』粟島行春訳註
- 2019/06/07
- 18:09

『喫茶養生記』粟島行春訳註(盛文堂/1989年刊)栄西禅師(1141~1215)と言えば、日本における臨済宗の開祖として、名前くらいなら小学生でも知っていよう。頭の角ばった肖像は中々に印象的だが、鎌倉仏教の大物は親鸞にしろ道元にしろ、皆変な顔をしていて面白い。その栄西は、我が国の医家先哲を祀った医聖堂にも合祀され、橘輝政の日本医学先人伝もまた紹介する医学先人260名のうちに含めて記述しているのだが、これはその著述...
『自然への回帰』粟島行春著
- 2019/06/05
- 18:36

『自然への回帰』粟島行春著(日豊株式会社/1977年刊)粟島先生の本の中では、昭和52年の『自然への回帰』が一番好きだ。漢方については余り触れられておらず、農薬批判や白砂糖の害毒、玄米菜食の問題点などが主なテーマだが、先生の基本的な考え方は此の一冊に殆ど出尽くしていると言っていい。最晩年まで書き続けられた未病医学シリーズにしても、結局は此の本の内容を引き延ばして漢方的に肉付けしたようなものである。全体の...
粟島行春先生歌碑
- 2019/06/03
- 18:46

粟島行春先生歌碑洞爺湖畔の開拓民墓地に、粟島行春先生が亡き父母を想って詠んだ歌の刻まれた歌碑がある事を嗣子のみつお先生より教えられて、大間からフェリーで津軽海峡を渡ったのは一昨年の五月の事であった。前回フェリーに乗ったのは、まだ明石大橋が開通する前、大阪の深日港から淡路島に渡った時以来、北海道も確か同じ年に行ったのが最後なので、どちらも随分久しぶりの体験である。フェリーで車を渡してもらうのは単身で...
『もう一つの粟島紀行』安藤潔著
- 2019/06/01
- 10:37

『もう一つの粟島紀行』安藤潔著(近代文芸社/1996年刊)“粟島”という地名は全国にあって、そこにある神社には大抵少彦名命が祀られているようだ。ガガイモの実で出来た船に乗ってやって来たという少彦名命は、医薬の神ともされ、神農祭が行われる道修町の少彦名神社でも炎帝神農氏と二神一緒に祀られている。『もう一つの粟島紀行』は、元中学教師の著者が全国の粟島を訪ね歩いた紀行文で、1993年から96年にかけて著者の住む新潟...