逝きし昭和の面影
- 2019/11/29
- 18:21

座談会「吉益東洞を語る」(『漢方と漢薬』昭和15年1月号81頁~108頁)過ぎ去って二度と戻らぬ過去の時代を懐かしみ、「あの頃は良かった」と自らを慰めるのは老人の習性の一つ(それも大抵は傍に居る若い世代をうんざりさせる)であるが、その時代を生身では経験していない世代でさえ、そう感じざるを得ない事柄というのも色々あるようだ。例えば、今日漢方医学に関する情報誌は、『日本東洋医学雑誌』に始り、実に様々なものが発...
薬井~医史跡番外編~
- 2019/11/26
- 19:40

薬井(奈良県北葛城郡河合町)奈良への行き帰りで毎度目にして気になった地名と言えば、雷火豊を彷彿とさせる蔀屋などがそうであるが、北葛城郡の薬井も何年か前から気になっていた場所であった。ただ、通りかかるのが大抵夜中であったことと、薬井交差点の付近には如何せん車をとめられる場所が皆無の為、かなり遠くに駐車してからの徒歩散策を強いられるから、中々機会を持てずに居たのだが、先日ようやく意を決して、わざわざ此...
遣唐使進発の地碑~医史跡番外編~
- 2019/11/23
- 21:13

遣唐使進発の地碑(住吉大社西大鳥居前)縁あって月に一度は、大阪の住吉大社に参拝させて頂いているのだが、年明け暫らくして参拝した際、西の大鳥居前に、えらく立派な石碑が建立されているのが目にとまった。平成三十年十二月に堺市の田中孝司という人が奉納したものであるという。これほど巨大な石碑を個人建立とは、どんな富裕層なのだろうかと思ったが、それよりも、恥ずかしながら、私はここが遣唐使船の船出の地であったと...
坂根健さんのこと
- 2019/11/20
- 19:29

在りし日の坂根さん(2013年6月25日/高槻市某所にて)二週間ほど前に届いた一通の葉書で、生薬探偵にとって冬虫夏草の師に当たる坂根健さんの訃報を知らされた。本年6月のことで享年75歳だったという。ご遺族とは一面識もなく、ご自宅のお電話番号も存じ上げなかった為、昨日、アポなし訪問ならぬアポなし弔問をすることになった。丁度奥方がご在宅だったのだが、お出かけになる寸前の事で、あと一分遅ければ入れ違いになるような...
日本医史学会関西支部学術集会
- 2019/11/17
- 23:59

今日は五回目の参加となる日本医史学会関西支部の学術集会で天王寺へ。参加費がリーズナブルなのと、会場が自宅から近いこともあって、毎年会外から参加しているのだが、それも今年が最後になりそうな予感がしている。今回はいつもより小さい会場で、高知の御大も京都医学史研究会のボスも来られておらず、年々お馴染みの顔ぶれも少なくなっているようだ。毎度お決まりの発表の演者も少なくないが、今日は後藤艮山の発表が偶然にも...
『傷寒・金匱を学んで』福田佳弘著
- 2019/11/13
- 20:13

『傷寒・金匱を学んで』福田佳弘著(医聖社/2015年刊)ひと月ほど前、滋賀での第38回埼玉漢方特別講座でご一緒した鳥取の福田佳弘先生(1936~)が、2015年刊の御高著『傷寒・金匱を学んで~福田佳弘論考集~』をご送付くださった。最近はどこへ行っても聴くに堪えない病名漢方の発表が多くて正直うんざりしているのだが、滋賀での特別講座で拝聴した講演が古典を踏まえた実に内容のある素晴らしいもので、帰ってから、先生が『漢...
今年も易学供養塔
- 2019/11/09
- 23:02

第三期工事を終えた易学供養塔(昭和48年10月10日)今日は一年ぶりの易学供養塔の集い。四天王寺墓地に1973年に建てられた易学供養塔は、大阪の紀藤元之介先生が中心となって建立された大変立派な万成石製の石碑で、私は岡山の易塚・東京の陰陽道先師留魂碑と並ぶ我が国の三大易史跡であると考えている。主な合祀者についてはコチラを参照されたし。2010年に易学先師先覚たちの御霊に導かれる如くに参加してちょうど10回目となる訳...
易学家の饗宴
- 2019/11/08
- 15:14

串焼王にてこの3年ほど東京と言えば必要最低限度の用事を無理やり一日に詰め込んだ日帰り弾丸上京だったり、車で東北に行く道中に立ち寄るだけだったりで、ゆっくり余裕をもって滞在するという事がなかなか出来ずに居た。結局は、庵主自身の心の余裕の無さの反映なのだけれど、長らく無沙汰を重ねて不義理を続けてしまっている恩師恩人少なからず、今回久しぶりに一泊の宿を取ることに。やはり、終電さえ逃さなければ、ゆっくり呑...
夏井睦医師の漢方観について
- 2019/11/04
- 18:57
ラップやワセリンを用いた創傷・熱傷の湿潤療法を提唱する夏井睦先生(1957~)と何度かメールでやり取りさせて頂いたのは、今から十数年前のことで、当時は一般書をまだ書かれておらず、ブレイク前夜といった時期であったように記憶している。先生の書く文章は非常に面白くて明晰で、当時音楽ネタ以外は隅から隅まで目を通したように思う(オススメの映画に関しては私の目にはどれもくだらないものばかりに映ったが)。肝心の湿潤...
金匱植物同好会第三回観察会の御感想
- 2019/11/01
- 23:29

楽しく刺激的な体験をありがとうございます。今回のメインテーマ「山茱萸狩り」は、ここ最近の中で一番必死になった出来事となりました(笑)毎回識別しにくい植物の見分け方を教えていただき 分かるようになるのは嬉しいです。そして、今回も樹木の実のつき方や根っこの生え方の違いを学びましたので、今後の植物観察に生かそうと思います。帰ってからの山茱萸酒作りもワクワクしました。次回開催楽しみにしてます。それまで自主...