陰陽神社
- 2021/11/28
- 09:48

茨城に陰陽を冠する神社があると知り、緊急事態宣言の間隙を縫うように参拝したのは昨秋のこと。茨城県常陸大宮市山方4927付近は森林公園となっている。急な上りが続く参道案内板によると、陰陽神社は水戸光圀が寛文元年(1661)に創建を思い立ち、元禄四年(1691)に社殿が完成したもので、陰石と陽石を祭ったものであるのは、以前行った宮崎の陰陽石と同様である。変わった風貌の狛犬であるが、朝鮮北部高麗地方に於いて狩りのと...
「け」と「か」
- 2021/11/25
- 18:12
易の勉強を始めた当初、どうということのない単純な語句でもどう読めば良いのか戸惑ったものが少なくなかった。ひょっとすると長いこと易学に親しんでいてさえ、イザ問われてみると自信を持っては答えらないという人も多いのかもしれない。たとえば、「卦」を「か」と読むか「け」と読むか。少し漢学の知識がある人なら、中国的なものは漢音で読み、仏教語に限っては呉音で読むのが我が国に於ける習わしだから、本来「卦」は「かい...
八卦堂跡
- 2021/11/22
- 18:24

もとより観光にはさしたる関心を持たない為、既に上京回数は数十回に上るにも関わらず、未だに足を踏み入れていない観光地が少なくない。というよりもそういった場所には殆ど行ったことが無いという方が正しいようだ。そんな風であるから小石川後楽園も名前だけは随分前から知っていたものの、実際に探訪したのはようやく一昨年のことであった。といっても、別段庭園になど興味はなく、私の目当ては園内にある「八卦堂」である。閉...
亀卦川
- 2021/11/19
- 18:02
一昨年の九月、アルゼンチン北部の世界遺産「ウマワカ渓谷」の崖下で日本人女性が転落死したという事件をテレビニュースで知った。事件というより事故らしいから、別段どうという程のこともないのだが、転落した女性は亀卦川俊子さんという方で、この「亀卦川」という姓に私は注意を引かれた。何やら卜筮を彷彿とさせる字面の姓である。ただし、珍しい姓だとは思ったが、PCで「きけがわ」と入れて変換するとちゃんと「亀卦川」が出...
八卦を訪ねて
- 2021/11/16
- 18:08

昨春のことであったが、秋田から岩手にかけて「八卦」という地名が数か所点在しているのを偶然知った。地名辞典を紐解いて調べてみたものの、由来は今一つ判然としない。地名というのは殆どの場合、その土地の歴史と関係して付けられている筈だが、こんな田舎に八卦見が沢山居住していたとも思われないので、或いは易の八卦とは全然関係のない何かの方言の音が偶々同音であったとか、或いはよく似ていたかして「八卦」の漢字だけ失...
Ekibyo
- 2021/11/13
- 09:21

世界中が疫病に慄いた結果、我々のライフスタイルが激変を迫られるようになり、早くも二年になる。我が国では理由は不明ながら新規感染者数は秋に入って急激な減少を示し、反対にヨーロッパでは感染再拡大が起きているということだが、かつてのスペイン風邪がそうであったようにいずれは終息して行くものであるに違いない。これに対して「疫病」ならぬ「易病」は不治の病である事が多いらしいが、幸い時代遅れのものと見えて新規感...
八卦の象意
- 2021/11/10
- 18:59

説卦伝の解説を行った翌週、改めて八卦の取象について御説明したが、同じ内容の説卦伝をただ貧しく繰り返すだけでは芸がないので、紀藤元之介著『活断自在』中の八卦象意を羅列した箇所を抜き出して御話する事にした。といってもそのままの解説ではなく、私の目から見て不要と思われたものは省き、新しく自分で作った(という程ではなく常識的な当てはめ方をしただけの)取象も織り交ぜて御説明した。四遍筮をやらない自分には『活...
九家逸象のこと
- 2021/11/07
- 10:32
八卦の取象を語る上で逸する事の出来ないのが、所謂「九家逸象」である。これは漢易的解釈学の延長線上に成立したもので、漢代の象数易の特徴の一つは経文にある字句を解釈する為に先ずは説卦伝の取象を根拠にする訳だが、説卦伝にその象がなければ爻を移動させたり引っ繰り返したりして象を無理矢理作り出し、辞と象とを関連付けようとする。しかし、説卦伝に説かれた象の数などたかが知れているから、ここに敷衍して更に取象の数...
説卦伝を読む
- 2021/11/04
- 18:05
第26回の蒼流庵易学講座で説卦伝の解説を行った。翼伝は儒家の小理屈をこねまわすもの少なからず、占筮に直接役に立つとは言えない部分が多いけれど、例外は雑卦伝と説卦伝で、雑卦伝は今日ではやや特殊に映る観卦法が少なくない為、私などはごく一部を利用する程度にとどまるが、説卦伝は基本的な八卦の象意を網羅してあって、実占家にとっては十翼のうち最も大切な部分と言えよう。六十四卦経文の解説中にも、乾の剛健とか巽の巽...
易学供養塔合祀者マイル
- 2021/11/01
- 18:09
『近代日本易学小史』発行当時に易学供養塔に合祀された方々の一覧は以前記事にしているが、振り返ると掃苔を行った先師先学も少なからぬ数に上るようになった。そこで、検索の便も考えて、各記事にリンクを貼ってみることにする。易・暦・天文・陰陽方術等を齎された来朝の恩人王仁・段楊爾・漢高安茂・施徳王道良・固徳王保孫・王柳貴・観勒易・暦法・天文・遁甲等を学習し世に弘められた菟道稚郎子・厩戸皇子・陽胡史祖玉陳・大...