幻の木藤家墓所
- 2021/12/29
- 12:11

一昨年の11月、青木良仁先生も参加された易学供養塔護持会の席で、木藤謙氏より平野区の瓜破霊園に木藤家の墓所があることを教えられた。昭和34年に建てられたものだそうが、結局納骨もされぬまま放置されることになり、昨年墓じまいされた為、現在では見ることが出来ない。門人の誰一人知らなかった場所らしく、恐らく木藤家以外に掃苔したのは庵主ただ独りと思われるが、実は庵主の家の累代墓も同じく瓜破霊園にあり、直線距離に...
紀藤元之介先生終焉之地
- 2021/12/26
- 10:58

易学会館が下寺町に完成した昭和50年、居宅を万代池の傍に移されたが、ここが昭和56年に病没されるまで晩年の六年間を過ごされた場所である(現在は更地になって駐車場として使われているようだ)。広瀬宏道先生の旧宅にも程近い場所である。...
尚聖館跡を訪ねて
- 2021/12/23
- 18:59

紀藤先生の今里時代はごく短く、大阪移住の翌年8月には当時大阪市の助役をしていた門人の好意により「大阪市都市計画仮設住宅」の監理者として恵美須町3-27へ転居されている。この年から「紀藤元之介」の易名を用いられたが、「尚聖館」の看板を掲げるようになったのも此の頃からで、汎日本易学協会関西地方本部になった年でもあるから、昭和28年は先生にとって転機の年でもあったようだ。木藤謙氏によると、当時の今宮戎周辺はま...
八尾天台院
- 2021/12/21
- 18:30

紀藤元之介先生の大阪における最初の易学講座が開講された八尾の天台院については、随分前に一度記事にしていて、青木良仁先生と連れ立って足を運んだこともある。今朝がた木藤謙さんより当時の写真を送って頂いたので、ご紹介したい。この写真は四天王寺あたりだろうか?...
『実占研究』創刊の地
- 2021/12/19
- 10:03

紀藤元之介先生は神奈川県綾瀬の御生まれであったが、復員後関西に移住され、奈良の春日大社に奉職の後は大阪に移って活動された。大阪では今東光氏が八尾の天台院に着任したことから、昭和27年1月に同院で「天台易学塾」を開講、これが大阪での最初の講座であるが、同年11月に大阪を本格的な活動拠点とする為に転居され、同月には『実占研究』の創刊号が発刊されている。大阪での最初の居宅は『実占研究』最終号巻末の年譜による...
木藤家アルバムより
- 2021/12/16
- 18:59

先日、紀藤元之介先生の嗣子である木藤謙氏より貴重な写真を数枚恵与されたので御紹介したい。昭和13年(1月?)紀藤先生召集令状受領の日に撮影されたもので、左の学生服が当時東大の学生だった江藤幸彦氏、右のイケメンが斉藤鉄夫氏で、いずれも『易学大講座』に編集委員として名を連ねる岳門初期の高弟である。昭和14年5月11日出征前日の汎日本易学協会主催の歓送会にて撮影されたもので、木藤謙氏に確認したところ、前列左から...
清肺排毒湯
- 2021/12/13
- 18:33

遅ればせながらといったところではあるが、新型コロナ用の漢方“清肺排毒湯”を用意しておくことに。麻黄・炙甘草・杏仁・石膏・桂枝・澤瀉・猪苓・白朮・茯苓・柴胡・黄芩・半夏・生姜・紫苑・款冬花・射干・細辛・山薬・枳実・陳皮・藿香という二十味を超える複雑怪奇なる構成はお世辞にもエレガントとは言いかねるけれど、私が風邪を引いた時に常用するさる秘薬も最初十五味近い処方構成から馬鹿にしていたものの、実際飲んでみる...
今年の鼈道
- 2021/12/10
- 18:37

スッポンとの付き合いも5年になるが、今年はあまり釣りに行かなかったので、釣果はシーズン全体で僅かに6匹を数えるのみであった。若干飽きて来たというのもある。今年は友人の中華料理店々主にせがまれなかったら1~2匹釣って終わっていたかもしれない。ただし、新しいネタもあるにはある。5月にベビースッポンを調達、数名に進呈して喜ばれたが、子供の居ない御夫婦には殊に好評だったようだ。亀が子供の代わりになるのかどうか...
南五味子酒
- 2021/12/07
- 18:00

サネカズラ(2021年12月02日/大阪府奥河内)10月に探訪した際にはまだ時期が早すぎて色づいていたのは僅かに一つか二つ位であったが、12月ともなれば殆ど真っ赤になっている。よくテレビなどでウイルスの拡大図のイラストを見かけるが、どことなくあれを彷彿とさせる奇妙ないでたちだ。どっさり採取してみたが、なんたらベリーとでもいった外貌は如何にも美味しそう。ただ、齧ってみたところ、実には殆ど味らしい味がなく、種の部...
今年の生薬探偵
- 2021/12/04
- 18:13

昨年10月には緊急事態宣言の間隙を縫うように何とか金匱植物同好会の観察会を敢行したものの、今年は宣言の長期化により、とうとう発足以来初めての開催0の年になってしまった。可能であれば夏あたり、海浜性薬用植物でも見て頂こうと思っていたのだが、残念である。自然海岸そのものが全国的に減少しつつあるから、早いうちに観ておかないと、少なくとも大阪では幾つかの種類は10年後に観察出来るかどうか確実な保証を出来る自信...
莧陸怪怪
- 2021/12/01
- 18:11
『易経』には植物を指すと思われる言葉が複数見えているが、経学者の幾ら偉い先生でも本草学に通暁しているという訳ではないから、多少なりとも生薬の知識を持ち合わせている者からすると其の言説に少々物言いをつけてやりたいと思うことが無いでもない。例えば、震為雷の卦辞に見える「鬯」は一般に鬱鬯酒を指すとされていて、これは黒黍を醸造した酒に鬱金香を混ぜた香酒で、古代中国の祭祀では地に注いで神を降ろすのに用いられ...