2022年度蒼流庵易学講座の御案内
- 2022/03/23
- 20:00

本年4月より、蒼流庵易学講座を開講することになりました(昨年度の御感想)。何せこんな御時世ですのでオンラインでの開講ではありますが、どこにも行かずに在宅で受講可能というのは最大の利点なので、多忙な方には特に良い講座形式でしょう。全くの初心者の方でも大丈夫な内容ですが、何処かで習う機会を持てずに独習して来たような方にも良いのではないかと思います(初学の方が対象とは言え、学問的な程度を落とすと意味がな...
経文を読もう
- 2022/03/20
- 10:25
易占を極めるのに、経文を深く読み解くのが必要かと問われたら、残念ながらそれは必要条件でも十分条件でもないと答えるしかない。経文を深く読めるからといって必ずしも優れた占法家たり得ないのは、世評の高い『易経講座~程氏易伝を読む~』の端々に散見される本田済氏の読卦が驚くばかりに拙いことに明らかである。公田連太郎氏も自身には易占の才能が無いとして、端から占の方面を放棄しているが、これはこれで一つの立派な態...
『周易古筮考』薮田嘉一郎編訳注
- 2022/03/17
- 19:48

『周易古筮考』薮田嘉一郎編訳注(紀元書房/1968年刊)三浦國雄氏の訳注によって我々は疑古的な易説に容易に触れられるようになったものの、直接に其の説を紐解こうとすれば、邦文では薮田嘉一郎『周易古筮考』に拠る他ないようだ。実は三浦本の各卦に附された占例も多く此の本に負っているようである。本書は、尚秉和『周易古筮攷』、聞一多『周易義証類纂』、李鏡池『左国中易筮の研究』『周易筮辞考』の四冊を訳出したもので(...
『易経』三浦國雄訳注
- 2022/03/15
- 19:15

昭和には多くの優れた『易経』注釈書が著わされているが、トリを飾るのは三浦國雄氏の訳注であろう。1988年であるから昭和が終わりを告げる直前の刊行で、角川書店の「鑑賞中国の古典シリーズ」全24巻の首巻として刊行されたものだ。この訳注は、聞一多(1899~1946)や李鏡池(1902~1975)、高亨(1900~1986)といった訓詁派や考古派に属する近代諸家の易説をふんだんに取り入れ、新奇な解釈を試みているところに特色があるが、...
昭和の易書アレコレ
- 2022/03/13
- 21:35
オリジナルの自作テキストと言ったところで、経書の解説に純粋独創など在り得ないことだし、もとより庵主は経学者を以て任ずる者ではないから、結局は糊と鋏の仕事に終始する訳だ。核としたものは自身が経文を学習させて頂いた公田連太郎翁の『易経講話』で、これに昭和の代表的な易書数種を並行して読み進めながら作成している。具体的には、公田本に加えて今井宇三郎氏の新釈漢文大系本、本田済氏の朝日選書本、鈴木由次郎氏の全...
自作テキストの安心感
- 2022/03/11
- 20:15
蒼流庵易学講座に使用するテキストは基本的に全て自作なのだが、易の勉強会というのは色々あっても六十四卦の経文解説まで自作というのは意外に少ないものらしい。大抵は朝日選書の本田易や岩波文庫の高田易などを利用するようで、それはそれで世評の高さを背景とした無難さというのもあるから、人の褌で相撲を取るのが必ずしも良くないという訳でもなかろう。ただし、経文を解説した種々の易書を渉猟してみて実感したのは、その中...
講座テキストの改定が完了
- 2022/03/06
- 17:20
春からの易学講座で使用するテキストの改定作業がようやく終わった(これから最終校正に突入)。この十数年何度改定を繰り返したか分からぬが、昨秋の大改訂を終えた直後はもうこれで完璧と安堵したものの、年初からの連日の作業は文字通りの大改訂で殆ど全ての項を改めたのだから、振り返ってあの時の安堵は何に由来したものだったかと思わず苦笑させられる。テキストそのものの大枠は一年ほど前の個人教授に際して作ったもので、...
ロシアのおじさん言うことにゃ
- 2022/03/03
- 18:11
大阪はブスばかりだと言ったら同郷人の顰蹙を買うやも知れぬが、上京のたびに明らかな美人率の高さを肌で感じる。また、俗に秋田美人などと言う位、北に行くほど美人が増えると言わんばかりだ。勿論、土佐に広末涼子が居るように、また熊本に伴都美子が居るように、必ずしも一律に南がダメだという訳でもなかろう。しかし、土佐美人や肥後美人などという言葉は耳にしたことがないから、北へ行くほど美人が増えるというのは暗黙の内...
市原蒼海詩碑
- 2022/03/02
- 18:10

市原蒼海詩碑(大巌寺/千葉市中央区大巌寺町180)かつて汎日本易学協会に市原蒼海(1883~1972)という長老が居て、古い『易学研究』に啓発的な優れた論考を多数発表されているが、千葉県の龍澤山大巌寺境内に逝去の翌年建立された詩碑を見ることが出来る。裏面に刻まれた略歴によると、いすみ市の生まれで、大巌寺白寿会(老人クラブの類か?)の顧問として創立以来十年に渡り「人生百二十年」と題した講義を続けられた、とある。...
住吉大社御文庫
- 2022/03/01
- 18:01

神社への書物の奉献と言えば、言わずと知れた我が大阪の住吉大社「御文庫」など特に有名なものであろう。同文庫は、享保八年(1732)に当時の大坂・京都・江戸の書林らが発起人となって建立されたもので、その創設以来毎年初刷本を献納し、現在五万冊にのぼるとされる蔵書は多数の稀覯書を含み、貴重な資料の集積となっている。現在は出版物は一冊を国会図書館に献納することが法律で義務づけられているけれど、この御文庫は民間の...