生薬探偵紀南之旅
- 2023/03/30
- 18:18

十年一昔などというけれど、外来種の侵入や鹿による食害が著しい我が国の植生は当に十年一昔を地で行く状況と言う他ない。少し前なら普通に見られた筈のものが、今やどれだけ探しても見つからない場合が幾らでも有るというのは斯界の諸先輩異口同音に嘆く所である。小生も、生薬探偵道に於ける門人を得て数年、屡々伝授がてら案内しているが、場所の詳細も記憶しているから楽勝と思って下見に出かけたところ、幾ら探しても気配すら...
おりかえし
- 2023/03/27
- 18:18
先週、蒼流庵易学講座の第24回を終え、ようやく折り返し地点に到達したのは感慨深いものがある。前半最終回は、「易占手引草」と題して実占上の要訣を羅列したサブテキストを最後まで読み進めて終わったが、普通に街占でもすれば半分以上を占めるであろう色恋沙汰の占の他、失せ物や失踪の占、時期や数の取り方などにも及んだ。ラストは病占で締めくくったが、ここが臨床家の多い今期では一番楽しんで頂けた箇所ではないかと思う。...
医人たちの晩餐会
- 2023/03/23
- 20:04

昨日は、さきたまオケラの会の大友一夫先生、浩気堂々主坂本浩司先生と特別合宿の為、かつらぎは天野の里へ。高野山近くにある丹生都比売神社は“丹生”の二字を冠することからも分かるように、水銀関係の神社ながら、不思議とこれまで水銀ハンターの庵主未訪の地であった。直前に天気予報が雨から晴れに変わってくれたのが有難い。お宿は、最近二周年を迎えたばかりの南峰庵で、神社に隣接している。一日一組限定のお宿で、屋号は日...
医人たちの晩餐会
- 2023/03/19
- 15:53

さきたまオケラの会大阪支部長を退任されて、新たに山陽支部発足の使命を担い、岡山に移住される漢方内科医の向川朝子先生と東三国の和食 雄さんへ。向川先生、4年間の支部長活動ご苦労様でしたm(_ _)m新支部長の着任まで、初代支部長である不肖わたくしめが支部長代行として暫く運営に当たらせて頂きます。...
咲き始め
- 2023/03/16
- 18:06

今年は春の訪れが早くて、桜の開花も例年より早いようである。寒くて三月は大抵外出を控えるのだが、今年は久しぶりに山茱萸の花見に出かけた。サンシュユ(2023年3月15日/大阪府八尾市)遠目に見ると、蝋梅のようにも見えなくはないが、サンシュユは木の生え方が独特だし、近づいて花を観察すれば、梅とは全く異なる独特な形をしていて面白い。セリバオウレン(2023年3月15日/大阪府奥河内)この数年、黄連に関しては人を案内する...
胎占指南
- 2023/03/12
- 10:33
一昨日の第23回蒼流庵易学講座は、胎児の性別判断を中心に所謂「胎占」関連の技法を色々お話する回とした。昭和以前には今よりも遥かに胎児占の需要が高かったようで、占例集等を覗き見ても、端々に此の分野の占断例が見えている。背景には是が非でも第一子に跡取りたる男児を望むという考えがあったようだ。今では、家族観念の変化により、第一子は男児をというような考えは既に時代錯誤の、いな顰蹙さえ買いかねないものとなって...
医人たちの晩餐会
- 2023/03/10
- 19:48

関西医史学界の重鎮で整形外科医の今井秀先生と久しぶりの会食。場所は南森町の「和食 いいくら」さん。お料理は相変わらず絶品!今回は以前より桃山陶を意識した器がふんだんに使用されている印象。冷酒も通好みの粋なものが揃っていて美味しい。お土産に庵主の好物 松竹堂のフルーツ餅を頂きました。しかもホワイトデー仕様!御馳走様でしたm(_ _)m...
見えざる手
- 2023/03/09
- 18:19

『実業』1924年11月号に「易から観た支那動乱」と題した小玉呑象の時事占が掲載されているのだが、得卦も判断も詳細に記述されていて、ニセ高島ではないモノホン高島の高弟であった小玉呑象の後出しでない占を検討する格好の材料を提供してくれている。「九月八日朝、支那の各方面に動乱の兆候があって・・・」で始まる此の小文は、第二次奉直戦争勃発直後に著わされたもののようだ。生憎、支那の近代史に詳しくない為、ウィキペデ...
宮人を以て寵せられる
- 2023/03/07
- 18:01
昨夏、第八回のオンライン講座にて剝卦を解説した際、此の分野では御多分に漏れずと言うべきか、呑象の鍼治占を引いて御話することとなった。増補版『高島易断』を出典とする言わずと知れた占例で、読者諸賢には今さらの説明など不要であろうが、簡単にあらましだけ申せば、明治14年春に横浜の森錠太郎という外商の書記が腹痛を訴えて内外の医師の診察を受け薬を服用するも治らず、いよいよ危険な状態となった為、呑象に一筮を乞う...
主爻ノ意ニシテ
- 2023/03/05
- 10:54
昨年は講座の参考として『高島易断』を再読する機会を持ったが、必要に迫られないと中々通読し難い分厚さの書物を嫌々とはいえ読破するのは矢張り最後は自身の為にはなるという当たり前の事実を痛感させられる。再読によって感心させられたことは多々あるけれど、具体的に言えば、増補版『高島易断』の地雷復上六に附された占例等も其の一つ。もっとも感心したのは占例そのものというより、卦爻辞の捉え方と言うべきで、この占例は...
横浜ガス灯関連史跡を歩く②
- 2023/03/03
- 18:11

馬車道十番館(横浜市中区常盤町5-67)レトロ喫茶&レストランとして人気を集める馬車道十番館は、かつての高島嘉右衛門旧居跡に建てられているという。嘉右衛門の邸宅と言えば、高島台の大綱山荘を思い浮かべるが、大綱山荘は隠居所であって、実業家として数々の事業に携わった時代の根城がどうも今の馬車道十番館辺りだったということらしい(以前掲載した写真が時期的に考えてそうかもしれない)。入口横の電話ボックスはタダな...
横浜ガス灯関連史跡を歩く①
- 2023/03/01
- 18:44

2021年秋、コロナ流行の間隙を縫うように、何年振りかで横浜の嘉右衛門関連史跡を散策した。ただし、高島台の方ではなく、趣向を変えて実業家としての嘉右衛門の足跡を辿るべく、ガス灯関連の史跡に絞っての調査である(調査とは言っても、既に多くの方がweb上に情報をあげておられるから、実際にはそれをなぞっただけの観光でしかないのだが)。日本ガス事業発祥の地碑(横浜市中区花咲町3-86)日本ガス事業発祥の地碑は嘉右衛門...