貝母を求めて~生薬探偵の冒険~
- 2018/04/17
- 18:54
アミガサユリ(2017年4月14日/大阪府奥河内)
貝母も何やらよく判らぬ生薬で、中国ではナント現在20種類を超える植物が基原として当てられているというが、日本ではそのうち「浙貝母」と称されるユリ科アミガサユリの鱗茎が貝母として用いられている。
奈良県で栽培されているものは「大和貝母」の名で知られているが、園芸用に植えられていた個体が野生化したものが多く見られ、私が奥河内で目にしたのもそうした逸出集団であるように思う。
仲景方では二方に用いられており、即ち、『傷寒論』太陽病篇の白散方(『金匱要略』では桔梗白散)と『金匱要略』婦人妊娠病篇の帰母苦参丸がそれである。
掘ってみた!
大小二つの鱗茎が、母が子を抱いているように見える子安貝に似ていることから、貝母と名付けられたというが、実際、薬用部分はその通りの形状である。
これで、庵主もサユリストの仲間入りだ。
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