石菖蒲を求めて~生薬探偵の冒険~
- 2018/04/23
- 18:08
セキショウ(2018年4月22日/大阪府和泉市)
『神農本草経』で上品に分類されている菖蒲が、現在のセキショウなのか、ショウブなのか、今一つ判然としない。
ともにショウブ科の植物であるが(少し前までサトイモ科に入れられていた)、セキショウが比較的風光明媚な渓流添いで見られるのに対し、ショウブは池や小川の泥中に生育するという風に、姿形に似たところはあっても生育環境が大きく異なる。
現在、中医学では菖蒲にセキショウの根を当て、ショウブは水菖蒲といって区別しており、漢方の世界で単に菖蒲と言えば、このセキショウの根を指す。
掘ってみた。
なんか、ちょっとワサビっぽい雰囲気だ。
ところで、紛らわしいことに、アヤメも漢字に変換すると“菖蒲”なのだが、こちらはアヤメ科のハナショウブという園芸種のことで、全く異なる植物である。
端午の節句に浴槽に放り込んだりしないように、注意しましょう。
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