甘遂を求めて~生薬探偵の冒険~
- 2018/04/26
- 18:37
ナツトウダイ(2014年4月27日/大阪府貝塚市)
甘遂も、巴豆や昨日紹介した澤漆と同じく、現代日本漢方では用いられないトウダイグサ科の植物であるが、仲景方における出番は同科の生薬の中で一番多く、甘遂半夏湯・大陥胸湯・大陥胸丸・十棗湯・大黄甘遂湯の五処方に用いられている。
現在中国で甘遂に当てているEuphorbia kansui Liouは日本に産しないが、国産ではトウダイグサ科のナツトウダイ(Euphorbia sieboldiana)を当てていたようだ。
大阪では極めて珍しい植物で、私も一度しか自生は見たことがない(何年か前、道修町を歩いていた時、植木鉢に植えられているのを見たことがあるが、さりげなく現代の漢方家に馴染みのない甘遂を植えているのが中々粋に感じたことを覚えている。)。
三日月形の腺体がとても特徴的な植物だ。
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