何首烏を求めて~生薬探偵の冒険~
- 2018/05/24
- 18:44
ツルドクダミ(2013年5月24日/大阪府東大阪市)
七宝美髥丹や何人飲といった使用処方は、さっぱり馴染みのないものであるのに、何首烏の知名度が意外に高いのはどうしてだろうかと思う。
宋の『開宝本草』に初出というから、知られるのが比較的遅かった生薬らしい。
ただ、李翱の『何首烏伝』に見るごとく、服用すると白髪が黒くなり、130歳になっても頭が黒々としていたなどと聞くと、最近めっきり白髪が増えて白頭翁まっしぐらの庵主としては俄然興味をひかれるところがある。
タデ科ツルドクダミの塊茎が薬用部位で、江戸時代に中国から持ち込まれて栽培されていたものの逸出が稀に野生化して見られる。
が、同時期に同じように持ち込まれて野生化した長芋などとは比較にならないくらい少ない。
庵主は、東大阪の山手と池田の五月山、名古屋の吉見山墓地付近の三か所くらいでしか目にした記憶がない。
葉はガガイモに少し似ているが、ガガイモは葉が対生するのに対し、ツルドクダミは互生なので、容易に見分けがつく。
希少とはいえ、所詮は帰化植物なので、掘ってみた。
この見るからに頼もしい塊茎には、確かに滋養強壮の効果がありそうな気がする。
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