番杏を求めて~生薬探偵の冒険~
- 2018/05/31
- 18:48
ツルナ(2013年5月31日/大阪府泉州)
胃癌に効くという番杏は日本の民間薬で(分布域そのものはアジアから南米までかなり広い)、中国の種々の本草書には記載がなく、呉継志(琉球)の『質問本草』外篇巻三に記述されるのが最初らしいが、本書は特にその薬効については記述しない。
難波和漢薬は、胃癌に対する効果についてやや懐疑的な記述をしているが、私が親しくして頂いているさる名人は胃癌患者に睦和湯加番杏を用いて良い手ごたえを得ているという。
この番杏、海岸の砂地では普通に見られるさして珍しくもない植物であるが、多肉のため歯ごたえがあって中々に美味しく、鉄分が多くてニュージーランドのマオリ族が食べていたことから、英語では“New Zealand spinach(ニュージーランドのホウレンソウ)”と言われているそうだ。
本当に胃癌に効くとしたら普段から食べていれば、予防効果があるかもしれない。
将来の発病に恐れおののくピロリ菌保菌者はせっせと食べるようにしよう。
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