吉草根を求めて~生薬探偵の冒険~
- 2018/06/10
- 10:00
カノコソウ(2015年6月10日/大阪府南河内)
吉草根は、『日本薬局方』記載の生薬であるが、どうした訳か、中国の本草では扱われておらず、ヨーロッパに産するワレリアナ根(セイヨウカノコソウ)の代用品として用いられたもので、我が国で生薬として使われた歴史はごく浅いようだ。
同じオミナエシ科のオミナエシやオトコエシが、敗醤として『神農本草経』に記載されていることから考えると、何やら不思議な感じがする。
ハルオミナエシの別名でも知られるが、大阪では花期は今頃なので、“春”というのも少し違和感を感じぬでもない。
北海道から九州まで広く分布するとはいえ、目にする機会の少ない希少種であるが、先日、ムラサキを見に行った平尾台では、花期こそ過ぎていたけれど、一面至る所で目にすることが出来た。
カノコソウ天国といったところであろう。
大阪では南河内でいくらか見つけることが出来る。
スポンサーサイト