冬虫夏草を求めて①~生薬探偵の冒険~
- 2018/06/25
- 18:20
5年前のこと、高槻在住の冬虫夏草研究家・坂根先生の御好意で冬虫夏草採集に同行させてもらった。
本来、冬虫夏草は、チベットやヒマラヤに生息するコウモリガ科の蛾の幼虫に寄生するものを指し、それ以外の昆虫に寄生したものは、単に“虫草”といって区別しているが、あまりにも冬虫夏草の名が有名であるため、我が国では一般にこの名でひとくくりにされている。
坂根先生は武田薬品のご出身で、微生物培養に長年従事されていたが、冬虫夏草は定年退職後にご同僚の勧めで始めた趣味だという。
なんと、既に新種の虫草を4種発見されており、うち二種類は、遺伝子解析によりマジモンの冬虫夏草の近縁種であることが明らかとなっている。
虫草歴こそ短いが、日本の虫草研究に多大な貢献をされており、その成果の一部は『冬虫夏草の文化誌』奥沢康正著に見ることができる(ちなみに、この本、日本で書かれた冬虫夏草関連の書物では、空前絶後の名著。わが目を疑うような定価であるが、決して期待を裏切らない)。
坂根先生によると、キノコといえば秋の味覚とされているが、虫草は種類を問わなければ年中何かしらのものが発生し、特に多くの種類が観察出来るのは6月後半であるという。
また、いずれかといえば、深山幽谷よりも里山に多いのだそうだ。
日本では凡そ250種ほどの虫草が知られているのだが、高槻市近郊ではその内80種類近くが確認されているといい、その気になれば大阪でも相当な種類を見つけることが出来る訳である。
ジメジメした雑木林の林床が狙い目で、初心者には倒木の朽木が狙い目だそうだ。
虫草には、宿主が幹や葉に着生している「気生型」、地中に埋まっている宿主から柄が伸び、地表にキノコが顔を出す「地生型」、朽木に潜り込んだ宿主から発生する「朽木生型」の三つのタイプがあるのだが、気生型や地生型は探索の範囲が漠然としており、朽木生型の場合は探索範囲が絞りやすいということらしい。
コナサナギタケは、その名の通り、触ると指が粉まみれに(ここから下は地生型の虫草)。
坂根先生のご指導の下、おおよその深さを予想しての掘り出しであった為、今回の採集行では、さほどの苦労はしなかったが、ある程度、地上部を見て同定出来る知識が無いと、採取には過度の神経を使う。
また、丁寧に掘り出しているつもりでも、柄がプッツリと切れてしまうこともあり、これを俗に「ギロチン」と呼ぶらしい。
ツブノセミタケはかなり長くなるので、ギロチンの起きやすい種類だそうだ。
クモタケは、巣の中で死んだクモに生えるもので、全国で見つかるポピュラーなもの。
これだけは、近くの寺院の境内で、なぜかお寺の中でよく発生するものらしい。
本来、冬虫夏草は、チベットやヒマラヤに生息するコウモリガ科の蛾の幼虫に寄生するものを指し、それ以外の昆虫に寄生したものは、単に“虫草”といって区別しているが、あまりにも冬虫夏草の名が有名であるため、我が国では一般にこの名でひとくくりにされている。
坂根先生は武田薬品のご出身で、微生物培養に長年従事されていたが、冬虫夏草は定年退職後にご同僚の勧めで始めた趣味だという。
なんと、既に新種の虫草を4種発見されており、うち二種類は、遺伝子解析によりマジモンの冬虫夏草の近縁種であることが明らかとなっている。
虫草歴こそ短いが、日本の虫草研究に多大な貢献をされており、その成果の一部は『冬虫夏草の文化誌』奥沢康正著に見ることができる(ちなみに、この本、日本で書かれた冬虫夏草関連の書物では、空前絶後の名著。わが目を疑うような定価であるが、決して期待を裏切らない)。
2013年6月25日
坂根先生によると、キノコといえば秋の味覚とされているが、虫草は種類を問わなければ年中何かしらのものが発生し、特に多くの種類が観察出来るのは6月後半であるという。
また、いずれかといえば、深山幽谷よりも里山に多いのだそうだ。
日本では凡そ250種ほどの虫草が知られているのだが、高槻市近郊ではその内80種類近くが確認されているといい、その気になれば大阪でも相当な種類を見つけることが出来る訳である。
ジメジメした雑木林の林床が狙い目で、初心者には倒木の朽木が狙い目だそうだ。
虫草には、宿主が幹や葉に着生している「気生型」、地中に埋まっている宿主から柄が伸び、地表にキノコが顔を出す「地生型」、朽木に潜り込んだ宿主から発生する「朽木生型」の三つのタイプがあるのだが、気生型や地生型は探索の範囲が漠然としており、朽木生型の場合は探索範囲が絞りやすいということらしい。
さっそく坂根先生が発見されたのは、クチキムシツブタケ
ピンセットを駆使して丁寧に掘り出していく。
全貌が見えてきた!
これぞ、クチキムシツブタケ!
続いて現れたのはクチキカノツノタケ。
ここでは普通種だが、全国的にはかなり珍しいものらしい。
ピンセットは冬虫夏草採取で最も多用されるアイテムだ
どうにも暗くてピントが合わせ辛い・・・
お次はヒメクチキタンポタケ
今度もピンセットを駆使
今回の獲物ではこれが一番それっぽいかも?
コナサナギタケは、その名の通り、触ると指が粉まみれに(ここから下は地生型の虫草)。
今回の一番の大物・ツブノセミタケの地上部
坂根先生のご指導の下、おおよその深さを予想しての掘り出しであった為、今回の採集行では、さほどの苦労はしなかったが、ある程度、地上部を見て同定出来る知識が無いと、採取には過度の神経を使う。
また、丁寧に掘り出しているつもりでも、柄がプッツリと切れてしまうこともあり、これを俗に「ギロチン」と呼ぶらしい。
ツブノセミタケはかなり長くなるので、ギロチンの起きやすい種類だそうだ。
日の目を見ることなく朽ち果てた哀れなセミの幼虫
夏草や兵どもが夢の跡・・・
クモタケは、巣の中で死んだクモに生えるもので、全国で見つかるポピュラーなもの。
これだけは、近くの寺院の境内で、なぜかお寺の中でよく発生するものらしい。
スポンサーサイト