枸杞を求めて~生薬探偵の冒険~
- 2018/07/02
- 18:19
クコの花(2013年7月2日/木津川)
クコといえば、一般には生薬というよりも、杏仁豆腐のトッピングというイメージが強いかもしれないが、『神農本草経』上品に記載されていて、薬用植物として早くから認識されていたことが判る。
実(枸杞子)だけでなく、根皮を乾燥したものを地骨皮、葉を乾燥したものを枸杞葉と呼んで薬用とするが、漢方家に身近なものといえば、地骨皮が清心蓮子飲や滋陰至宝湯に、枸杞子が杞菊地黄丸に配合される程度で、実を薬酒にしたり、葉を薬用茶として用いる民間的利用法の方が遥かに人口に膾炙したものであろう。
クコは、我が国にも自生する植物で、荒地や土手などにしばしば見られるが、病気に罹りやすく、結実する個体は意外に少ない。
一度、野生の枸杞子を大量に採って薬酒にでもしてやろうと思っているのだが、なかなか結実したものに出会えず、いまだ目的を果たせていないのは遺憾。
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