蒲黄を求めて~生薬探偵の冒険~
- 2018/07/07
- 10:47
ヒメガマ(2013年7月7日/大阪府泉南市)
『神農本草経』上品の部に収載される蒲黄は、ガマ科のヒメガマやガマ、コガマといったガマ類の花粉を乾燥させたもので、止血や利尿の効があり、我が国の有名な神話(そして最古の医話でもある)因幡の白兎で、ウサちゃんを救うために、大国主が用いたのがこの蒲黄であった。
仲景方では、『金匱要略』に小便不利に用いる蒲灰散という処方があり、この蒲灰とは花粉ではなく、ガマの葉をそのまま焼いたか、或いはムシロを焼くかしたもののようだ。
大阪では、ヒメガマ・ガマ・コガマとも自生しているが、コガマは非常に少なく、ガマもやや稀で、池で目にするものは大抵ヒメガマである。
ヒメガマには矢印の緑色の部分があり、ガマにはそれがないので、見分けるのは簡単だ。
スポンサーサイト