梓白皮を求めて~生薬探偵の冒険~
- 2018/07/12
- 18:11
キササゲ(2018年7月12日/大阪府河内長野市)
『神農本草経』下品の部に登場する“梓白皮”は、ノウゼンカズラ科キササゲの樹皮とされ、『傷寒論』では陽明病篇に麻黄連軺赤小豆湯という使用処方が見えている。
中国では樹皮が薬用部位であるが、日本の民間療法では主に“梓実”といって実を用い、現在でも国産品の流通がいくらかあるようだ。
本来日本には自生しない植物で、河川敷などに帰化したものが見られるというが、生薬探偵はあまり目にしたことはなく、写真は『医心方』金剛寺本を所蔵することでも知られる河内長野市の天野山金剛寺の境内に生えているもので、昔の植栽ではないかと思われる。
葉は巨大でどこか桐に似た雰囲気がある。
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