沢蘭を求めて~生薬探偵の冒険~
- 2018/07/26
- 19:36
シロネ(2013年7月26日/大阪府北河内)
婦人の要薬とされる沢蘭は、シソ科シロネの全草を乾燥させたもので、『神農本草経』では中品として記載される。
使用処方であまり有名なものは聞かないが、難波和漢薬は『証治準縄』の沢蘭湯を挙げている。
和名の“シロネ”は地下茎が白いことに由来し、食用になるそうだが、食べたという話はあまり聞かない。
池や沼の畔など、湿気の多い環境を好んで生えるが、生薬探偵は淀川水系で一度見たきりである(この時期の河川敷はなるべく歩きたくないので、散策する機会が少ないからかもしれぬが)。
サワヒヨドリ(2013年10月17日/大阪府南河内)
赤松和漢薬は、主としてサワヒヨドリやヒヨドリバナから採ると言い、朝鮮ではシロネを充てるとしているが、現在の中国産はシロネであり、難波和漢薬によると、「古く江戸時代にもシロネが沢蘭であったが、いつの間にか、蘭草に類した Eupatorium フジバカマ属植物を充てるようになった」ということだ。
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