青木香を求めて~生薬探偵の冒険~
- 2018/08/17
- 18:41
ウマノスズクサ(2013年8月17日/大阪市淀川区)
『神農本草経』で上品として分類されている木香は、現在では、唐木香・青木香・土木香・川木香の四種があって、それぞれ別の基原を充てているが、この内、青木香は我が国にも自生するウマノスズクサの根である。
他に、マルバウマノスズクサも青木香に充てるが、こちらは大阪に自生がなく、全国的にも希少な絶滅危惧種だ。
鎮痛消炎解毒の効があるとされるが、ウマノスズクサ科の植物は、アリストロキア酸という腎毒性のある成分を含み、ハーブティなどの分野で世界的に健康被害が見られることから、現在では国内の流通は無くなってしまったらしい(先にご紹介した木防已にもアリストロキア酸が含まれる)。
“アリストロキア”は、ギリシャ語の“アリストス=最良の”+“ロキア=出産”で、古くから出産時の痛みを和らげる為に、同属の薬草を用いたことに由来するという。
ウマノスズクサは、ジャコウアゲハ(黒い揚羽蝶で、雄の成虫が麝香のような匂いをさせることからこの名がある)の幼虫の食草なので、蝶マニアは常にこの植物に注意しているそうだ。
あまり頻繁に見かける植物ではないが、河川敷などに比較的多い気がする。
掘ってみた。
根は横に這うタイプである。
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