旱蓮草を求めて~生薬探偵の冒険~
- 2018/08/24
- 18:21
タカサブロウ(2013年8月26日/堺市南区)
強壮・止血薬として用いられる旱蓮草は、キク科タカサブロウの全草を乾燥させたもので、『証治準縄』の二至丸などに用いられている。
水田に生える雑草で、日本には稲作と共に伝わった所謂“史前帰化植物”と考えられている。
変わった和名であるが、人名と見る説によれば、この植物は別名をボクトソウ(墨斗草)といい、搾汁が墨色で字を書くことが出来る為、貧しくて墨を買えないタカサブロウ(高三郎)が、これで字を書いたことに由来するという。
別の一説では、皮膚のただれのことを“タタラビ”といい、それに効果がある草という意味で“タタラビソウ”と言ったのが、訛ってタカサブロウになったとする。
なお、かつては、水田に普通に見られたタカサブロウであるが、いつの間にか南米原産のアメリカタカサブロウという帰化植物に取って代わられてしまい、現在、目にするものは多くがこのアメリカタカサブロウであるらしい。
アメリカタカサブロウは、在来種と違って、葉が細く、茎が直立せずに基部が這い、痩果に翼がないなどの違いがあり、果実の翼の有無で見分けるのが一番確実ということだ。
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