延命草を求めて~生薬探偵の冒険~
- 2018/09/16
- 14:54
ヒキオコシ(2013年9月18日/大阪府奥河内)
苦味健胃の民間薬として知られる延命草は、シソ科ヒキオコシの全草を乾燥させたもので、かつては山野の日当たりの良い場所で普通に見られたというが、昨今数を減らしており、生薬探偵は生駒金剛山系の山頂部付近でしか目にしていないような気がする。
すこぶる苦いというが、撮影時にしがんでみるのを失念していたので、次回、どこかで邂逅した暁には、どれほどのものか、味見してやろうと思っている。
和名は、弘法大師がこの生薬を用い、瀕死の旅人を、あたかも引き起こすように回復させたことに由来するというが、ミシマサイコなど空海絡みで語られる生薬はいくつかあるし、あとから大師信仰と絡めて有難がられたに過ぎないのではなかろうか。
何はともあれ、振り返れば写真撮影に最も苦労したのは、この延命草であるという気がする。
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