前胡を求めて~生薬探偵の冒険~
- 2018/09/19
- 18:09
ノダケ(2013年9月19日/大阪府南河内)
止咳平喘薬である前胡は、柴胡の代用として使用されることも多いが、そもそも仲景などが用いていた昔の柴胡はもともと前胡だったとする説もあって、生薬基原問題の難しさと面白さを窺わせる。
用いられる処方としては『証治準縄』の前胡湯や前胡散など。
基原には主として二種類あり、すなわちセリ科のPeucedanum praeruptorumと同じくセリ科のノダケである。
前者は白花前胡といい、我が国には分布を見ないが、後者も中国で紫花前胡として普通に使用され、かつて和前胡として流通していた国産品も後者に由来するものだ。
大阪でも標高の高い場所でちらほら見られる。
シャク(2015年4月22日/奈良県御所市)
朝鮮産はセリ科シャクを充てるが、日本でも通好みの山菜として人気がある(食べるのは葉)。
葉が野菜の人参に似ていることから、ヤマニンジンの別名があるが、花がないとムラサキケマンやヤブニンジン、ヤブジラミなどと区別するのが難しいので注意が必要。
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