大戟を求めて~生薬探偵の冒険~
- 2018/09/21
- 18:20
タカトウダイ(2012年9月20日/大阪府泉州)
『神農本草経』に下品として収載される大戟は、水気を強力に下す作用があり、仲景方では最強の瀉下薬である十棗湯に用いられ、『三因方』の控涎丹なども使用処方として有名。
赤松和漢薬は主としてトウダイグサ科タカトウダイを充てるとし、難波和漢薬はアカネ科に由来する紅芽大戟、マメ科に由来する草大戟、トウダイグサ科に由来する京大戟の三種が現在中国の市場に出回っているが、古来の正條品は京大戟であると言っている。
また、難波和漢薬は、かつての和大戟はトウダイグサで、韓国産はナツトウダイであるとしている。
本薬物も、基原に相当混乱があったものらしい。
タカトウダイは大阪では非常に少なく、生薬探偵は泉州の溜池の畔にある群生地以外では見たことがない。
中国では、肝硬変末期の腹水や住血吸虫病末期の腹水に用いているそうだが、そういった患者は自力で薬局に来ることはないから、薬局漢方での出番はあまりなさそうだ。
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