当薬を求めて~生薬探偵の冒険~
- 2018/10/17
- 18:02
センブリ(2013年10月17日/南河内)
秋に可憐な白い花を咲かせるリンドウ科センブリは、我が国における民間的健胃薬の代表的なものであろう。
千回振り出しても(振出薬=布袋などに入れて熱湯の中で振り動かして成分を溶かし出す煎出法)まだ苦味が出ることから、この和名がある。
複方では、大峰山系の陀羅尼助や御岳系陀羅尼助である百草丸などに用いられている(陀羅尼助は場所によって構成薬物に若干の異同がある)。
昭和後期に栽培技術が確立されるまで、長らく野生品を乱獲する時代が続いたこともあり、現在ではかつてのように身近に見られる草花ではなくなってしまった。
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