王不留行を求めて~生薬探偵の冒険~
- 2018/10/19
- 18:53
フシグロ(2013年9月18日/南河内)
『神農本草経』に上品として記載される王不留行は、現在日本では余り使用されていないようであるが、中国では活血化瘀薬として用いられ、仲景方では『金匱要略』に王不留行散という金瘡の治法が見えている。
基原には相当混乱があって、現在中国ではナデシコ科のドウカンソウの種子を用いることが多いらしいが、クワ科のオオイタビやオトギリソウ科のトモエソウ、他にも様々な科の異なった植物が充てられているようだ。
難波和漢薬は、明代以前の王不留行はナデシコ科のヒメケフシグロであるといい、これは大阪では見られないが(中国地方や九州北部には分布がある)、韓国で基原に充てているフシグロは南河内の高地で目にすることが出来る。
2013年10月17日
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