升麻を求めて~生薬探偵の冒険~
- 2018/10/02
- 22:32
サラシナショウマ(2013年10月2日/奈良県)
『名医別録』に上品として収載されている升麻は、キンポウゲ科サラシナショウマの根茎で、仲景方では麻黄升麻湯と升麻鼈甲湯の二方に用いられている。
他にも、乙字湯や補中益気湯、立効散などの頻用処方に用いられていて、漢方治療には必要不可欠の生薬だ。
辛涼解表薬で 李時珍によると薬名の由来は葉が麻に似て、上昇の能があるためであるという。
キンポウゲ科には毒性の強い植物が多いが、サラシナショウマは若菜を山菜として食べることが出来るらしい。
左:イヌショウマ/右:サラシナショウマ
なんたらショウマという名称の植物はいくつかあるが、アカショウマやトリアシショウマは花期も姿形もマジもんとは全く違っているから間違える心配はないものの、イヌショウマは花期が同じで姿形もよく似ていて紛らわしい。
慣れれば葉の形でも判別出来るが、初心のうちは、花柄の有無で見分けると良いだろう。
イヌショウマは花柄がなく、茎からいきなり花が咲く。
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