マルサスの人口論を今更持ち出すまでもなく、人口増加は必ず食糧問題を引き起こす訳だが、人口増加と共に食糧生産もまた相応の進歩を遂げて来た為、人類は何とか食糧危機に直面するのを先送りすることに成功して来た。
とは言え、発展途上国における食糧難はとっくの昔から大きな問題となっていて、最近『ネイチャー』に発表された試算では、人口は2050年までに100億人を突破するといい、そうなるとさすがに地球規模での食糧危機は回避出来そうにない。
そんな中、国連食糧農業機関(FAO)も推奨するのが昆虫食で、カナダでは食品流通最大手が全国の店舗でコオロギ粉を販売しているといい、パリでも昆虫食レストランが大変な賑わいを見せているという。
自分が2050年まで生きているかどうかは定かではないが、今後トレンドとなって行くに違いない昆虫食を自採にて実践してみようと思い立ち、友人のブドウ王Nakataと共に南紀まで繰り出して来た。
目当ては、以前にもご紹介した
䗪虫ことサツマゴキブリである。
䗪虫を探すブドウ王Nakata(南紀にて)
海岸付近の松林の枯草の下を探すのだが、ブドウ王と違って生薬探偵はラバー付きでない普通の軍手だった為、松葉がチクチク刺さって結構痛かった。
採取した䗪虫クンは、ゆったり寛いで頂けるよう衣装ケースに入れて持ち帰ったのだが、どうも隅っこが落ち着くのか、すぐに固まってだんごになってしまい、あまり寛いで頂けなかったらしいのは、甚だ遺憾。
三日ほど糞抜きした後、調理にかかろうとしたのだが、ゴキブリというのは果たしてどのように〆るのだろうか。
昆虫食ガイドブックの類を図書館で数冊借りてきたが、肝心の〆方について、どの本も記載していないのは不親切極まりないのではなかろうか(いきなり油に放り込んでは跳ねるのは間違いないだろう)。
そこで、小さな虫篭に移して冷蔵し、仮死状態にしてから揚げることに(ゴキちゃんは一番冷蔵庫に入れてはいけないものなのにね)。
ゴキちゃん達は、計20匹捕獲したのだが、食べるまでに6匹天に召されてしまい、どうやら捕獲時に強く握ってしまって潰れてしまったようである。
時間が経つとまた動き出してしまうので、素早く油で揚げる。
面白いことに、油に放り込んだ途端、膨らんで蜂のような恰好になってしまう。
次々にカラっと揚がる䗪虫たち
唐子たちが䗪虫を持ち上げているようにも見えるナイスな盛り付け!
よく見ると、エイリアンのようにもハンマーヘッドシャークのようにも見える奇妙な形状。
食べてみると、ほんのりとした上品な甘さがあって、あえて言えば海老に近い風味がある。
これは美味いゼっ!!!
スポンサーサイト