武田薬品工業京都薬用植物園
- 2019/03/01
- 18:10
漢方をやっていて、生の薬用植物に興味があるという人は大抵薬用植物園に行くらしい。
しかし、そんなところに幾ら通ったところで、実際の生育環境を知ることが出来ないのは勿論のこととして、共生植物に関する情報も得られないし、画一的な環境に植えられているものばかり見ても、フィールドで探し出す“眼”を養うということは出来そうにない。
季節ごとの成長する姿を観察出来るという点では幾らか益もあるとは言え、やはり、私のような実践派には甚だ物足りなく感じられるのは当然であろう。
従って、薬用植物園の類にはとんと縁が無いのだが、2012年6月に誘われて京都にある武田薬品の薬用植物園には行ったことがある。
武田薬品工業京都薬用植物園では年3回、抽選で一般見学を受け付けている。
武田は漢方はほとんど作っていないが、杏雨書屋などイカした施設を持っているし、何と言っても国内最大の製薬会社であるから、潤沢な資金に物を言わせた施設の立派さは他の追随を許さない。
出町柳で叡山電鉄に乗り換え、修学院下車、徒歩20分ほどかけて山裾にある薬用植物園へ着く頃には、汗ばんで足にもやや疲れが出ている。
最初に案内される展示室は、100年ほど前の神戸の建造物を解体して運んで来たものだそうだ。
困ったことに、マツホドの札が立てられているが、実際には松の若木が植えられていて、これでは知識の無い人は松の若木の生薬名がマツホドだと思ってしまうのではないか。
確かに、施設は立派である。
が、色々文句を言いたいところばかりが目についたという印象で、この繰り返しの内に生薬探偵の薬用植物園嫌いが醸成されたのではないかという気がせぬでもない。
まず、案内してくれる係員氏を含め施設に常駐しているのは、基本的に農学の出身者であり、植物栽培のプロではあっても、漢方に関する知識は呆れるばかりに欠如している。
会社自体が漢方のメーカーでないから致し方ない面があるとは言え、やはり、薬用植物園に薬用植物の素人を置くというのは一考を要するのではなかろうか。
その関係だろうか、本来商売がたきであるはずのツ○ラの製品の品質を回し者ではないのかと思われる位に絶賛するのには驚かされた。
それから、一般参加者は端から漢方になど関心がないと思っているのか、重要な生薬は殆ど素通りで、ハーブコーナーの解説に矢鱈力が入っているのも頂けない。
年三回の抽選公開以外にも、薬剤師など専門家を10名以上集めて依頼すれば、案内してくれるという話なので、漢方家でこの薬用植物園に関心があるという人は、団体で申し込んだ方が良いだろう。
専門家相手の場合、植えられている生薬を引っこ抜いて薬用部位を見せてくれたりするそうだ。
或いは、その時には、ちゃんとした生薬学の知識を持った人が案内してくれるのかもしれない。
いずれにせよ、一般公開の時に行くことはもう二度とないだろう。
しかし、そんなところに幾ら通ったところで、実際の生育環境を知ることが出来ないのは勿論のこととして、共生植物に関する情報も得られないし、画一的な環境に植えられているものばかり見ても、フィールドで探し出す“眼”を養うということは出来そうにない。
季節ごとの成長する姿を観察出来るという点では幾らか益もあるとは言え、やはり、私のような実践派には甚だ物足りなく感じられるのは当然であろう。
従って、薬用植物園の類にはとんと縁が無いのだが、2012年6月に誘われて京都にある武田薬品の薬用植物園には行ったことがある。
武田薬品工業京都薬用植物園では年3回、抽選で一般見学を受け付けている。
武田は漢方はほとんど作っていないが、杏雨書屋などイカした施設を持っているし、何と言っても国内最大の製薬会社であるから、潤沢な資金に物を言わせた施設の立派さは他の追随を許さない。
出町柳で叡山電鉄に乗り換え、修学院下車、徒歩20分ほどかけて山裾にある薬用植物園へ着く頃には、汗ばんで足にもやや疲れが出ている。
一時半スタートにはギリギリの到着だった。
最初に案内される展示室は、100年ほど前の神戸の建造物を解体して運んで来たものだそうだ。
ここでは大黄と甘草が解説される。
いよいよ植物園へ。
御種人参の栽培施設
横にはアメリカニンジンも植えられていたが、今回は素人さんばかりなので解説は無し。
麻黄
茵蔯蒿
「漢方処方園」では、有名処方の構成生薬が区画内に植えられている。
黄連解毒湯
困ったことに、マツホドの札が立てられているが、実際には松の若木が植えられていて、これでは知識の無い人は松の若木の生薬名がマツホドだと思ってしまうのではないか。
1時間半のツアー終了
お土産に、小磯良平の絵ハガキと月桂樹の葉を頂く。
確かに、施設は立派である。
が、色々文句を言いたいところばかりが目についたという印象で、この繰り返しの内に生薬探偵の薬用植物園嫌いが醸成されたのではないかという気がせぬでもない。
まず、案内してくれる係員氏を含め施設に常駐しているのは、基本的に農学の出身者であり、植物栽培のプロではあっても、漢方に関する知識は呆れるばかりに欠如している。
会社自体が漢方のメーカーでないから致し方ない面があるとは言え、やはり、薬用植物園に薬用植物の素人を置くというのは一考を要するのではなかろうか。
その関係だろうか、本来商売がたきであるはずのツ○ラの製品の品質を回し者ではないのかと思われる位に絶賛するのには驚かされた。
それから、一般参加者は端から漢方になど関心がないと思っているのか、重要な生薬は殆ど素通りで、ハーブコーナーの解説に矢鱈力が入っているのも頂けない。
年三回の抽選公開以外にも、薬剤師など専門家を10名以上集めて依頼すれば、案内してくれるという話なので、漢方家でこの薬用植物園に関心があるという人は、団体で申し込んだ方が良いだろう。
専門家相手の場合、植えられている生薬を引っこ抜いて薬用部位を見せてくれたりするそうだ。
或いは、その時には、ちゃんとした生薬学の知識を持った人が案内してくれるのかもしれない。
いずれにせよ、一般公開の時に行くことはもう二度とないだろう。
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