未病~ゴルゴ13~
- 2019/04/15
- 18:02
『ゴルゴ13』192巻(リイド社/2019年4月刊)
庵主は漫画をあまり読まないクチだが、唯一現在進行形で最新刊が出ると必ず購入しているのが、さいとう・たかをの『ゴルゴ13』で、今月出た最新刊は192巻と、『こち亀』が打ち立てた200巻に迫るところまで来ている。
もっとも、収集自体は父親から引き継いだものなのだが、政治経済軍事をテーマにした内容は毎回とても面白く、国際情勢を知るうえでも、なかなか有益な読み物であると思う。
さらに、さいとう先生は、庵主の同郷人(知ったのはつい何年か前のことだが)。
今回、初めて漫画本を取り上げるのは、この最新号に“未病”という作品が収められているからで、舞台背景はWHOにおける鍼灸の世界標準化を巡るせめぎ合いである。
中国に押されている韓国側がデューク先生に邪魔者の抹殺を依頼するのだが、詳しくは読んでのお楽しみということにしておこう。
愛国心の塊のようなパクさんが、今回の準主役
『ゴルゴ13』の登場人物は、実在の人物に似せて描かれることが多く、名前もオリジナルを少し捩った程度で、元人物がすぐに想起される場合が少なくないが、この何とも言えぬ表情が味わい深い佐藤理事にも、誰かモデルになった人が居るのかしらん?
ところで、肝心の“未病”については、後半で少し触れられる程度なのだが、その捉え方は、正鵠を射たものとは思われない。
ここで出ている“未病”には、生命の側に視点がなく、敵を撲滅するという思想に立脚しているから、実際には“予防”の範疇であろう。
なお、庵主の師である粟島行春先生は、作家を志しておられた時代に、さいとう先生とも交流があったらしく、書庫を案内して頂いた時、『ゴルゴ13』シリーズが書架に何冊か架蔵されていたことを覚えている。
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