観察された薬用植物
- 2019/06/16
- 10:12
金匱植物同好会の第2回観察会で見られた薬用植物は、最初33種とカウントしていたが、その後、だんだん増えて現在43種になっている(カウントし忘れていたものや新たに本草書に記載が見いだされたものなどが後から追加された)。
当日は集合写真を除いて、植物の写真は一枚も撮っておらず、昨日、松浦薬業の加藤先生よりDVDに焼かれたものが送付されて来たので、その中から幾つかご紹介したいと思う。
今回、参加者の方が一番見たがっておられた竹節人参は、加藤先生によると伊吹山にもあるそうだが、こんな群落にはなっていないということだった。
ちなみに吉益東洞が心下痞鞕を治すとして好んで用いたのは、この竹節人参である。
スタート直後に見つかったオオツヅラフジは、若干同定に自信がなかったので、私の師匠といってもいい近畿植物同好会の山住会長に写真を確認して頂いたところ、オオツヅラフジで間違いないとのことであった。
街中で普通に見かける木防已(アオツヅラフジ)と違って、山の中にしかない割と珍しい薬用植物。
ヤブコウジは現在は用いられないが、狩谷棭斎や森立之らは、これが唐以前に牡丹皮として用いられたものであると言っている。
弘法大師伝説にちなんだ和名のあるヒキオコシは、非常な苦味を持つ健胃薬。
参加者諸氏には味見してもらったが、植物学習は五感をフルに使って覚えるのがカギだ。
余談ながら、このヒキオコシこそドラクエの“やくそう”であるそうな。
フナバラソウは、5年前に探した時は割に簡単に見つかった記憶があるのだが、今回はどういう訳か中々見つからず、発見したのは第一回観察会にも参加された鍼灸家の阿野先生。
昨年小倉の平尾台に行った時は、ワンサカ生えていて壮観だった。
伊吹山にはゴマノハグサは結構あるらしいが、大阪では激レア。
葉を匂った場合はそうでもないが、指で少し触って指の匂いを嗅ぐとゴマの匂いがする。
伊吹山歴20年で、観察会も主催されている加藤先生からは「日本でこのような薬用植物の観察会は他にない」とお墨付きを頂いた。
自分でもそう自負しているが、漢方家からの参加は殆ど無い。
必ずしも臨床に植物の知識が必要とは言えぬが、仮に全く薬用植物に興味のない臨床家100名と、興味のある100名を比較するとしたら、腕前にも歴然とした差が見られるのではないかと思う。
探究心の低下は昨今漢方に限らず、色々な分野で目を覆うものがあるようだ。
生薬学者でさえ、フィールドに出ない人がどんどん増えているとも聞く。
信じがたいことだが事実らしい。
当日は集合写真を除いて、植物の写真は一枚も撮っておらず、昨日、松浦薬業の加藤先生よりDVDに焼かれたものが送付されて来たので、その中から幾つかご紹介したいと思う。
トチバニンジン(竹節人参)
今回、参加者の方が一番見たがっておられた竹節人参は、加藤先生によると伊吹山にもあるそうだが、こんな群落にはなっていないということだった。
ちなみに吉益東洞が心下痞鞕を治すとして好んで用いたのは、この竹節人参である。
オオツヅラフジ(防已)
スタート直後に見つかったオオツヅラフジは、若干同定に自信がなかったので、私の師匠といってもいい近畿植物同好会の山住会長に写真を確認して頂いたところ、オオツヅラフジで間違いないとのことであった。
街中で普通に見かける木防已(アオツヅラフジ)と違って、山の中にしかない割と珍しい薬用植物。
ヤブコウジ(牡丹皮)
ヤブコウジは現在は用いられないが、狩谷棭斎や森立之らは、これが唐以前に牡丹皮として用いられたものであると言っている。
ヒキオコシ(延命草)
弘法大師伝説にちなんだ和名のあるヒキオコシは、非常な苦味を持つ健胃薬。
参加者諸氏には味見してもらったが、植物学習は五感をフルに使って覚えるのがカギだ。
余談ながら、このヒキオコシこそドラクエの“やくそう”であるそうな。
フナバラソウ(白薇)
フナバラソウは、5年前に探した時は割に簡単に見つかった記憶があるのだが、今回はどういう訳か中々見つからず、発見したのは第一回観察会にも参加された鍼灸家の阿野先生。
昨年小倉の平尾台に行った時は、ワンサカ生えていて壮観だった。
ゴマノハグサ(玄参)
伊吹山にはゴマノハグサは結構あるらしいが、大阪では激レア。
葉を匂った場合はそうでもないが、指で少し触って指の匂いを嗅ぐとゴマの匂いがする。
伊吹山歴20年で、観察会も主催されている加藤先生からは「日本でこのような薬用植物の観察会は他にない」とお墨付きを頂いた。
自分でもそう自負しているが、漢方家からの参加は殆ど無い。
必ずしも臨床に植物の知識が必要とは言えぬが、仮に全く薬用植物に興味のない臨床家100名と、興味のある100名を比較するとしたら、腕前にも歴然とした差が見られるのではないかと思う。
探究心の低下は昨今漢方に限らず、色々な分野で目を覆うものがあるようだ。
生薬学者でさえ、フィールドに出ない人がどんどん増えているとも聞く。
信じがたいことだが事実らしい。
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