薬井~医史跡番外編~
- 2019/11/26
- 19:40
薬井(奈良県北葛城郡河合町)
奈良への行き帰りで毎度目にして気になった地名と言えば、雷火豊を彷彿とさせる蔀屋などがそうであるが、北葛城郡の薬井も何年か前から気になっていた場所であった。
ただ、通りかかるのが大抵夜中であったことと、薬井交差点の付近には如何せん車をとめられる場所が皆無の為、かなり遠くに駐車してからの徒歩散策を強いられるから、中々機会を持てずに居たのだが、先日ようやく意を決して、わざわざ此の為だけに足を運ぶことに。
これが薬井だ!!
この石碑は、平成14年に地元の青年団が建立したもので、案内版によると、よくある弘法大師絡みの霊水らしい。
眼病に霊験あらたかなる有難い御水であるというのだが、覗き込んで見た限りでは、ひどく濁っていて、こんな水で眼を洗ったらそれこそ別の薬が必要になって来るのではないかという恐怖を感じる。
ただ、近年まで飲料水として利用されていたというから、これは井戸替えをしていない為であろう。
現状は水風井初六の状態といったところか。
庵主の地元にも幾つか同様の霊水ありと雖も、いずれも現在は飲用出来ない状態であるのが残念である。
茶の湯にとって水が極めて重要な要素であるように、湯液にとっても煎じる水は薬効を左右すると信じて庵主は疑わないのだが、せいぜい硬度の問題が云々される程度で、真面目に取り上げる人の皆無であるのが嘆かわしい限りだ。
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