山梔子を求めて~生薬探偵の冒険~
- 2019/12/19
- 18:09
クチナシの花(2019年6月22日/大阪府泉州)
『神農本草経』に“巵子”の名で中品として記載される山梔子は、アカネ科クチナシの果実を乾燥させたもので、仲景方では梔子豉湯をはじめ、十方に用いられている。
他に、黄連解毒湯、竜胆瀉肝湯、温清飲、五淋散といった頻用処方にも用いられている比較的メジャーな生薬だ。
植栽としては普通に目にする事が出来るものの、あくまでも大阪府下での野生に拘る生薬探偵としては、南部に僅かに残るという自生クチナシを探し続けたのだが、中々出会う事が出来ずに数年の苦戦が続いた。
ようやく場所を特定出来たのが、本年6月のことで、この時も花が無ければ到底見つけられなかっただろうと思う(歩道からかなり距離がある)。
足元がぬかるみだらけの上、イバラがそこら中にトラップのように生えていて、たどり着くのに苦労するが、ようやく野生山梔子を眼にする事が出来たのは、感激の極み。
2019年12月4日
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