もう一つの國學發祥之地碑
- 2020/02/25
- 18:10
國學發祥之地碑(和泉市立石尾中学校正門前/大阪府和泉市万町930)
先日、神田明神境内にある國學發祥之地碑をご紹介したが、其の碑について調べていて、我が大阪にも国学発祥の地を記念して建てられた碑があり、こちらは契沖阿闍梨(1640~1701)絡みである事を知った。
昭和38年に建てられたもので、題字および和歌は昭和の国文学者・佐々木信綱(1872~1963)の手に成るもの。
契沖と言えば、『万葉集』をはじめとする我が国の古典作品を研究し、仮名遣いの分野に於いて優れた業績を残した学僧である。
全集も刊行されていて、今は無き天牛堺書店のワゴンセールでよく岩波版(全16巻,1973~76年にかけて刊行)の端本を目にしたものだ。
荷田春満も契沖の『万葉代匠記』などを学び、其の影響を多分に受けている事から、契沖絡みの地を国学発祥の地としても何ら不思議なことではなかろう。
ただ、石碑の裏面に「契沖はこの地の東北にあたる旧伏屋邸内養寿庵に寄寓して国学研究の礎を築いた。ここに阿闍梨の遺徳を偲び この碑を建立した」とあるように、契沖が現在の石尾中学校正門付近で何事かを成したという訳ではなさそうだ。
なお、昨夏掃苔した伏屋素狄の墓所から直線距離にして僅か100m程の場所に位置している。
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