陰謀がいっぱい
- 2020/04/09
- 21:37
世の中には陰謀論者と呼ばれる人々が一定数居て、彼らに掛かれば、ケネディ暗殺やダイアナの事故死は言うに及ばず、ジーパンの普及までもが陰謀(武田了円説)なのであるという。
また、陰謀を企てる勢力は極めて高度な科学力を駆使できるらしく、巨大地震を人為的に引き起こせる装置などとっくの昔に開発済で、東北の地震から四川の地震から、もう何から何まで「やつら」による陰謀ということらしい。
当然、今回のコロナウイルスも陰謀である。
つまり、コロナウイルスは生物兵器が人為的にバラまかれたという訳だ。
騒動の当初から、武漢には生物兵器の研究所があって、そこの管理が杜撰ゆえに何らかのきっかけでウイルスが漏れ出しのではないかという話は出ていたが、それではドラマチックさに欠けるから、もちろん「やつら」が登場するのである。
振り返れば、SARSの時もMERSの時も陰謀論が出た。
この手の感染症系陰謀説では、中国の経済成長を阻止する為とする説と人口調節が意図されているとする説との二つが主たるものであるらしいが、どちらも今一つ成功したように思われないのは、私独りではない筈だ。
そもそも、一般人には感染症史に関する知識が欠けていて、それ故にこのような稚拙な陰謀説が飛び交うのであろうが、少なくとも東洋医学に携わっている者は、張仲景が『傷寒論』を執筆した動機と時代背景について知らぬ者は居ないだろうし、宋板『傷寒論』の姿を今に伝えた功労者である趙開美の『仲景全書』出版の背景もまた同工異曲ではないかとさえ思える程に似通っているのである。
だいたい中国発の大規模感染症は、何十年置きか何百年置きかで発生するもので、14世紀にヨーロッパ全土を地獄絵図に変えたペストも、中国が震源地であるとする説がある位だ。
なんでこんなにヤバイ病気が次から次へと中国から出てくるのかという気もするが、中華思想というのは本来中国が世界の中心であるとする発想なのだから、疫病もまた中国を中心に伝播するとでもいったところか。
もちろん、それが今回のコロナ騒ぎが陰謀でない事を必ずしも保証しないとは言え、陰謀でなくても、時々はこういった大規模感染症の流行に人類が見舞われるのは間違いないのだ。
もっとも陰謀の主体が、エイリアンの類で、何千年も前から計画的に病原体がバラまかれていたというなら話は別である。
ところで、重大事件が盡く陰謀であるという観方は陰謀論者の間で等しく意見の一致を見るが、その陰謀を画策する主体が何者かという段になると、或る者はイルミナティだといい、また或る者はフリーメーソンであるといい、また別の者はユダヤなのであるという。
世界の支配者がこんなに沢山居る筈がないから、ここにも陰謀論の弱点の一つがあるように思われるし、その目的においてもまた不明確なところが多々あるようだ。
例えばSARSやMERSが人口調節に役立ったようにはとても考えられないし、中国経済に打撃は与えたにせよ、致命的なものにも見えず、この規模の感染症を引き起こせるような組織にしては、いかんせん結果がお粗末過ぎるように思える。
今回のコロナは流石に規模が大きくなっては来たが、致死率を見ると、人口調節に役立つ程のものとは思えないし、或いは時限装置のようなものが仕組まれていて、何年かしたらキャリアがバタバタ死んで行くような事態になるのであろうか。
どうも、今回の陰謀説もまた私にはリアリティに乏し過ぎるように思えてならない。
むしろ、陰謀を画策したのが、マスク屋・消毒液屋・トイレットペーパー屋であるとした方が、利害が明瞭で余程信ずべき話のように思うのだが、どうだろう。
また、陰謀を企てる勢力は極めて高度な科学力を駆使できるらしく、巨大地震を人為的に引き起こせる装置などとっくの昔に開発済で、東北の地震から四川の地震から、もう何から何まで「やつら」による陰謀ということらしい。
当然、今回のコロナウイルスも陰謀である。
つまり、コロナウイルスは生物兵器が人為的にバラまかれたという訳だ。
騒動の当初から、武漢には生物兵器の研究所があって、そこの管理が杜撰ゆえに何らかのきっかけでウイルスが漏れ出しのではないかという話は出ていたが、それではドラマチックさに欠けるから、もちろん「やつら」が登場するのである。
振り返れば、SARSの時もMERSの時も陰謀論が出た。
この手の感染症系陰謀説では、中国の経済成長を阻止する為とする説と人口調節が意図されているとする説との二つが主たるものであるらしいが、どちらも今一つ成功したように思われないのは、私独りではない筈だ。
そもそも、一般人には感染症史に関する知識が欠けていて、それ故にこのような稚拙な陰謀説が飛び交うのであろうが、少なくとも東洋医学に携わっている者は、張仲景が『傷寒論』を執筆した動機と時代背景について知らぬ者は居ないだろうし、宋板『傷寒論』の姿を今に伝えた功労者である趙開美の『仲景全書』出版の背景もまた同工異曲ではないかとさえ思える程に似通っているのである。
だいたい中国発の大規模感染症は、何十年置きか何百年置きかで発生するもので、14世紀にヨーロッパ全土を地獄絵図に変えたペストも、中国が震源地であるとする説がある位だ。
なんでこんなにヤバイ病気が次から次へと中国から出てくるのかという気もするが、中華思想というのは本来中国が世界の中心であるとする発想なのだから、疫病もまた中国を中心に伝播するとでもいったところか。
もちろん、それが今回のコロナ騒ぎが陰謀でない事を必ずしも保証しないとは言え、陰謀でなくても、時々はこういった大規模感染症の流行に人類が見舞われるのは間違いないのだ。
もっとも陰謀の主体が、エイリアンの類で、何千年も前から計画的に病原体がバラまかれていたというなら話は別である。
ところで、重大事件が盡く陰謀であるという観方は陰謀論者の間で等しく意見の一致を見るが、その陰謀を画策する主体が何者かという段になると、或る者はイルミナティだといい、また或る者はフリーメーソンであるといい、また別の者はユダヤなのであるという。
世界の支配者がこんなに沢山居る筈がないから、ここにも陰謀論の弱点の一つがあるように思われるし、その目的においてもまた不明確なところが多々あるようだ。
例えばSARSやMERSが人口調節に役立ったようにはとても考えられないし、中国経済に打撃は与えたにせよ、致命的なものにも見えず、この規模の感染症を引き起こせるような組織にしては、いかんせん結果がお粗末過ぎるように思える。
今回のコロナは流石に規模が大きくなっては来たが、致死率を見ると、人口調節に役立つ程のものとは思えないし、或いは時限装置のようなものが仕組まれていて、何年かしたらキャリアがバタバタ死んで行くような事態になるのであろうか。
どうも、今回の陰謀説もまた私にはリアリティに乏し過ぎるように思えてならない。
むしろ、陰謀を画策したのが、マスク屋・消毒液屋・トイレットペーパー屋であるとした方が、利害が明瞭で余程信ずべき話のように思うのだが、どうだろう。
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