ここに動けば悔ゆ
- 2020/04/23
- 19:25
今は整体を生業としている古い友人のO氏より、久しぶりに一筮を乞われた。
セミナー狂を以て自任するO氏のここ最近の求占と言えば、個人的には少々眉を顰めたくなるような下品な商業セミナーの類をズラリと並べて、どれを受けたら良いかを問うものばかりだったが(大抵はこちらが止めたところで結局は行きたいところに行くのがO氏のセオリー)、今回は久しぶりの事業占で、何でも緊急事態宣言以降、キャンセルの連続で窮地に陥っているのだという。
思い返せば、O氏がエンジニアを脱サラされて開業後しばらくはかなり厳しい経営状況が続いた為、事業占をよく執らされたものだが、ここ最近はそういった事も殆ど無くなり、専ら趣味の(本人曰くは“実益を兼ねた”ものらしいのだが)セミナー占?がメインとなっていたのだった。
もっとも、O氏に限らず、軌道に乗って来ると、筮を乞われる事は減って来るのが当たり前で、疑い惑うところがあるのは、運気低迷中の証左と言って良く、こういう依頼を受けなくなった事を以て、当人の無事安泰が推し量られるのである。
今回、O氏が提示した選択肢は二つ。
①このまま近き夜明けを信じて強行突破
②契約している美容系商材の通販に注力
立卦したところ、面白い事に、いずれも得られたのは沢水困で、①が上六、②が六三であった。
どちらも困卦であるところに、文字通りの困った状況である事が反映されていて、実に其のままの得卦という他ないが、得爻も中を得ない三と上であるのが不気味である。
が、比較してみると吉凶は一目瞭然で、①の道を取るべきであろう。
②の六三の辞が凶であるのは言うまでもないが、石と蒺藜に堪り兼ねて、家に帰ってみるとワイフがドロンしていたというのは、妻は商材の顧客で、期待していたような販売が出来ないのだろう。
上六の辞は「曰(ここ)に動けば悔ゆ」と、軽挙妄動を戒めて居り、やはり①の路線を墨守すべきで、大体困卦というのは、新たな事に手を出すなどもってのほかの卦であり、卦意から言っても①を取るべしという判断は同じように出来るのである。
あとは上爻という位地の難しさで、もしこれが長期に渡って困難の続いている状況であったなら、沢水困極まって別の卦に転じる機を窺う事も可能であるが、4月からであると考えれば、まだ暫くはこれを脱する事は難しかろう。
上爻を仮に六か月後と観れば、この卦では上兌の主爻であり、六か月後は大凡兌の秋であるから、その位には此の状況を脱し得るのではなかろうか。
余談ながら、この占の翌日に全く別の医療関係者からも筮を求められて立卦したところ、今度は立て続けに水雷屯を得たのだが、共に四大難卦の一を為す凶卦、地球規模の此の状況を考えれば、リンクしているように思われて、甚だ興味深いところがある。
いずれにせよ、庵主の筮が此の困難を乗り切る一助となる事を祈るばかりだ。
セミナー狂を以て自任するO氏のここ最近の求占と言えば、個人的には少々眉を顰めたくなるような下品な商業セミナーの類をズラリと並べて、どれを受けたら良いかを問うものばかりだったが(大抵はこちらが止めたところで結局は行きたいところに行くのがO氏のセオリー)、今回は久しぶりの事業占で、何でも緊急事態宣言以降、キャンセルの連続で窮地に陥っているのだという。
思い返せば、O氏がエンジニアを脱サラされて開業後しばらくはかなり厳しい経営状況が続いた為、事業占をよく執らされたものだが、ここ最近はそういった事も殆ど無くなり、専ら趣味の(本人曰くは“実益を兼ねた”ものらしいのだが)セミナー占?がメインとなっていたのだった。
もっとも、O氏に限らず、軌道に乗って来ると、筮を乞われる事は減って来るのが当たり前で、疑い惑うところがあるのは、運気低迷中の証左と言って良く、こういう依頼を受けなくなった事を以て、当人の無事安泰が推し量られるのである。
今回、O氏が提示した選択肢は二つ。
①このまま近き夜明けを信じて強行突破
②契約している美容系商材の通販に注力
立卦したところ、面白い事に、いずれも得られたのは沢水困で、①が上六、②が六三であった。
どちらも困卦であるところに、文字通りの困った状況である事が反映されていて、実に其のままの得卦という他ないが、得爻も中を得ない三と上であるのが不気味である。
が、比較してみると吉凶は一目瞭然で、①の道を取るべきであろう。
②の六三の辞が凶であるのは言うまでもないが、石と蒺藜に堪り兼ねて、家に帰ってみるとワイフがドロンしていたというのは、妻は商材の顧客で、期待していたような販売が出来ないのだろう。
上六の辞は「曰(ここ)に動けば悔ゆ」と、軽挙妄動を戒めて居り、やはり①の路線を墨守すべきで、大体困卦というのは、新たな事に手を出すなどもってのほかの卦であり、卦意から言っても①を取るべしという判断は同じように出来るのである。
あとは上爻という位地の難しさで、もしこれが長期に渡って困難の続いている状況であったなら、沢水困極まって別の卦に転じる機を窺う事も可能であるが、4月からであると考えれば、まだ暫くはこれを脱する事は難しかろう。
上爻を仮に六か月後と観れば、この卦では上兌の主爻であり、六か月後は大凡兌の秋であるから、その位には此の状況を脱し得るのではなかろうか。
余談ながら、この占の翌日に全く別の医療関係者からも筮を求められて立卦したところ、今度は立て続けに水雷屯を得たのだが、共に四大難卦の一を為す凶卦、地球規模の此の状況を考えれば、リンクしているように思われて、甚だ興味深いところがある。
いずれにせよ、庵主の筮が此の困難を乗り切る一助となる事を祈るばかりだ。
スポンサーサイト