牛黄清心丸
- 2020/05/25
- 18:32
気の小さい庵主は、人前で話さなくてはならない場合に、北京同仁堂の牛黄清心丸を一丸服する事にしている。
もっとも、あまり効いているような気もしないので、掌に「の」字を書いて飲み込むのと大差ないようにも思うが、他に出来る事も余りないから、やれるだけのことはやって本番に臨むようにしているというだけの話。
北京同仁堂の牛黄清心丸は、私が初めて口にした中成薬で、蝋の入れ物に入っていて、これを割って(私はたいてい足で踏んで割っている)中身を服用するのだが、このまま飲み込んでしまう人も希に居るらしい。
私は流石にそこまで間抜けな事はしなかったが、一丸そのまま飲み込んでしまって、危うく窒息するところだったのは、あまり人の事を笑う訳にもいかず、五十歩百歩の話なのかもしれない。
口の中でかみ砕いてから少しずつ飲むか、包丁か何かで服用前に刻んでおくと良いのだが、日本の市販薬ではこのように服用するものはあまりないようだから、如何にすべきか戸惑うのも無理なき事やもしれぬ。
ところで、この北京同仁堂の牛黄清心丸に使われる牛黄は人工なのだが、昔は正規ルートで買うと、そんなものでも何万円もしたらしい。
私は直接取り寄せるので一箱1000円代だが、少し前は数百円で買えたから、昨今牛黄価格の急激な値上がりは人工物にも相当に反映されて来ているようだ。
難波『和漢薬』は、人工でも効果があると言っているが、人工は全くダメだという人、天然には劣るが効果は無い訳ではないとする人など色々居て面白いが、私の場合、今のところ天然でもさほど効果を感じる事は出来ていない。
さる高名な漢方家からは、もっとへばらないと効かないのだと言われたが、そういうものなのだろうか。
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