モンタナ・ジョーンズ
- 2020/08/07
- 19:23
『聊斎志異』から脱線が始まり、だんだん我が蒼流庵随想が映画ブログと化して来た為、この辺りで軌道修正を図るつもりでいるが、最後に映画ネタの番外編として、庵主の大好きなアニメ『モンタナ・ジョーンズ』を取り上げる事とする。
1994年4月より一年間、NHK総合にて放送された全52話のアニメシリーズであるが、何故これを映画ネタとして取り上げるかと言えば、各話タイトルが、すべて名画のパロディになっているからで、それも子供向けアニメに仕掛けるようなチャチなものではなく、思わず唸らされるような作品をパロってあるのが映画マニアには堪らない(庵主もいまだ半数が未視聴の状態であるが、TSUTAYAに取り扱いがないものも少なくない)。
勿論、映画云々は抜きにしても、この作品、実に完成度が高く、大塚明夫以下、声優陣も豪華な顔ぶれ。
日本・イタリア・韓国の合作で、金もかかっているようだが、その分、なかなか見どころが多い。
ほとんどが実在の古代遺跡を舞台にしており、庵主などこのアニメで知った場所がかなりあるのだが、今ほど世界遺産ブームでなかった当時、あまり知られていなかったものも多くて、その点では大人にも啓蒙的な内容であったように思われる。
主題歌およびエンディングは、The ALFEEが歌っているのだが、このバンドの存在を教えてくれたのもまた『モンタナ・ジョーンズ』だった気がする。
主題歌のタイトル「冒険者たち」も言わずと知れたアラン・ドロンのあの名画から採られているが、The ALFEEの楽曲ではこういうジャズ調のものは他に例がなく、エンディングの「エルドラド」は実に抒情的な名曲で、幻想的な古代遺跡の絵も実にいい。
ところで、このアニメは未だDVD化されておらず、ファンにとっては幻の作品ともなっているのだが、その理由は、この一寸やりすぎたパロディにあるらしく、そもそもタイトルの『モンタナ・ジョーンズ』からして『インディ・ジョーンズ』のパクリで、2003~2004年の再放送時には『冒険航空会社モンタナ』という誠に冴えない題に変更されていた。
庵主は、初回放送時、全体の半分程度しか視聴できず、その後、ポニーキャニオンがVHSにしたことを知って、さっそく問い合わせたのだが、一般向けではなく、レンタル店にのみ販売された為に入手すること叶わず、しかも何故か大阪のTSUTAYAではどこにも取り扱いがなかった。
そこで、友人に頼んで東京のTSUTAYAを調査してもらったら、幸運にも最寄の店舗ですぐ発見との一報あり、宅急便で2回に分けて送ってもらい、せっせとダビングした1999年夏の想い出である。
時期まで覚えているのは、ちょうど世間がアンゴルモアの大王で何かと騒がしかった頃だったからで、もちろんノストラダムスの大予言など信じては居なかったが、鳴かぬなら鳴かせてみようホトトギスとばかりに、狂信的な集団がテロの一つでも起こすのではないかという一抹の不安のあったことは事実で、不測の事態に備え、せめて最期は心残り無き様、『モンタナ・ジョーンズ』を全話鑑賞して、人類滅亡に備えようと思ったものだった。
ところで、この東京の友人、もう四半世紀の付き合いになるが、今や或る分野では世界の最高権威として君臨しているY女史で、当時はまだ駆け出しの頃だったと言って良いだろうが、のちの最高権威者をパシリ同然に扱ってしまった非礼をそういえば未だ詫びていない。
なお、このシリーズ、画質こそ悪いが今はyoutubeで違法アップロードされたものが視聴可能のようだ。
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