『論語』の人気
- 2020/08/10
- 22:24
少し前に『論語』や孔子周辺についての取り留めのない雑感を披歴したが、いいねを押してくださった方が随分多くて、驚かされた。
儒教典籍について豊かなる知見を蔵しているとは言い難い庵主の駄文が、斬新な『論語』論になっていよう筈もないから、これは結局のところ『論語』が集める『易』などとは比較にならない程の人気を反映した現象に違いない。
しかし、改めて調べてみると、私の探し方が悪いだけの話かもしれないけれど、『論語』をテーマにしたwebサイトやブログには、わざわざお気に入り登録して定期巡回したいと思わせられる程のものは見当たらず、読み下しや現代語訳の羅列に終始しているものが殆どのようだ。
ちょっと面白い論語ブログなどやってみたら、人気が出そうな気もするが、何度も書いているように『論語』にそれほどの興味もなければ学識も有しない私は其の任に堪えるところの者ではない。
しかし、「漢方と易学」をテーマに自分としてはそれなりの情熱をもってブログ運営を続けて来てはや七年になろうとしているが、手すさびに書いたような論語ネタの方がずっと人気というのは、いささか情けない話である。
そもそも、漢方も易学も私の見る所ではお先真っ暗の業界であって、上向くような要素が一つとして見られないお寒い状況は正直目も当てられぬ惨憺たる有様と言って良いようだ。
『論語』の如き典籍の頂点に君臨するような書物は、もとからの読者層の厚みが違うから、これからも幾らかは読まれる事だろうが、『易経』などは売卜者以外に一つの教養的関心をもって読まれるような機会は一昔前に比べて既に相当減少しているのではないかと思われる。
読者層の中心を占めるであろう売卜者にしても、今では易は甚だ不人気な占法となっているらしく、例えばタロットのように漢文の素養を要求されない取っ付き易いものの方がずっと幅を利かせている現状がある。
易学の専門家をもって自任する私のような者には悲しい現実であるが、これも時代の趨勢である事は認めざるを得ないようだ。
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