『高島易断』を読む⑤
- 2020/11/20
- 19:16
『高島易断』中の珍しい占題としては、山雷頤六五の解説に附された占例181(義.p872~p886)「仏易説」なども面白い。
もっとも、占題それ自体は10年前に火災で焼失した芝増上寺の仏殿の再建に際して不足する費用を如何に捻出するかという金策占で、その手の占的は今でも事業占ならさして珍しくもない訳だが、得卦である山雷頤の爻位を追って我が国の仏教が時代を降る毎に如何に腐敗して来たかを滔々と説きながら仏教批判を行い、得卦の解説が坊さん相手の説教になっていくところに此の占例の面白さがある。
ちなみに、求占者は芝増上寺の大教正(教導職の最高位)というから痛快。
しかし、我々の為になるところは筮を執る直前で、
夫レ易ハ人事ヲ尽シテ天命ヲ俟ツノ道ナリ。瑣々タル事項ニ用フベキ者ニ非ズ。故ニ謂フ所ノ金策ノ如キハ、人事ヲ尽シテ可ナリ。易ニ問フベキニ非ズ。今先ヅ仏殿ノ建立スベキ時ナリヤ否ヤヲ問フデ、而シテ後ニ成否ヲ断告セン
とあって、至極当たり前の事と言えば言えるけれど、易聖呑象の口を通して語られるとき「易ハ人事ヲ尽シテ天命ヲ俟ツノ道ナリ」とは実に重みを持つ言葉だろう。
また、まず時期成否を見極めるべきで、金策なんかその次だと窘めているところも我々の注意すべき点であって、実際どうにもならない道を選択してその中での占断を依頼されるという場合が実占にあっては少なくなく、むしろスタート地点そのものの過りを正すべき事例は意外に多いものだ。
運気低迷に際しては選択するもの尽く良くない事が多く、その大きな括りの選択が良くない場合に、その路線を変更せずの趨吉避凶など絵に描いた餅でしかない。
ここを良く見極める事が出来るのも優れた占者の条件の一つであろう。
しかし、芝増上寺の仏殿再建が「瑣々タル事項」というのはかっこいいね。
もっとも、占題それ自体は10年前に火災で焼失した芝増上寺の仏殿の再建に際して不足する費用を如何に捻出するかという金策占で、その手の占的は今でも事業占ならさして珍しくもない訳だが、得卦である山雷頤の爻位を追って我が国の仏教が時代を降る毎に如何に腐敗して来たかを滔々と説きながら仏教批判を行い、得卦の解説が坊さん相手の説教になっていくところに此の占例の面白さがある。
ちなみに、求占者は芝増上寺の大教正(教導職の最高位)というから痛快。
しかし、我々の為になるところは筮を執る直前で、
夫レ易ハ人事ヲ尽シテ天命ヲ俟ツノ道ナリ。瑣々タル事項ニ用フベキ者ニ非ズ。故ニ謂フ所ノ金策ノ如キハ、人事ヲ尽シテ可ナリ。易ニ問フベキニ非ズ。今先ヅ仏殿ノ建立スベキ時ナリヤ否ヤヲ問フデ、而シテ後ニ成否ヲ断告セン
とあって、至極当たり前の事と言えば言えるけれど、易聖呑象の口を通して語られるとき「易ハ人事ヲ尽シテ天命ヲ俟ツノ道ナリ」とは実に重みを持つ言葉だろう。
また、まず時期成否を見極めるべきで、金策なんかその次だと窘めているところも我々の注意すべき点であって、実際どうにもならない道を選択してその中での占断を依頼されるという場合が実占にあっては少なくなく、むしろスタート地点そのものの過りを正すべき事例は意外に多いものだ。
運気低迷に際しては選択するもの尽く良くない事が多く、その大きな括りの選択が良くない場合に、その路線を変更せずの趨吉避凶など絵に描いた餅でしかない。
ここを良く見極める事が出来るのも優れた占者の条件の一つであろう。
しかし、芝増上寺の仏殿再建が「瑣々タル事項」というのはかっこいいね。
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